氷河期に入った米国の個人消費、酷寒のクリスマス商戦に

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高級店も値引き合戦 気を吐くウォルマート

このような環境下では高級デパートも値引き合戦に出た。ノードストロームのブレーク・W・ノードストローム社長は「800以上の洋服について、通常価格から平均22%以上下げた」と話す。メーシーズ傘下のブルーミングデールズも最大75%の値引きセール。廉価販売が珍しい高級洋服店アン・テーラーも6割引のセールを展開している。

こうした中、売り上げを伸ばして快走中なのがウォルマートやマクドナルドといった、低価格店だ。

ウォルマートの第3四半期の売り上げは前年同期比で7・5%増の986億4000万ドル、純利益は9・8%伸びて31億4000万ドルだった。ウォルマートのリー・スコットCEOは、「お客様が厳しい景気に圧迫感を感じている中、弊社のプライスリーダーとしての立場は一層重要」と語る。

ウォルマート・サンノゼ店。ここは元Kマートだったが、破産閉鎖後ウォルマートが買い取った。従来、中古車で駆けつけるヒスパニック系やベトナム系住民の買い物客が目立っていたが、最近は駐車場にレクサスやBMWといった高級車も目につくようになり、店内には白人の買い物客も増えている。ウォルマートによれば低所得者層に加え、中・高所得者層らが最低生活必需品を買いにくるため、好業績になったと分析している。

ウォルマートは、破産したマービンズやリネン&シングズをのみ込んで肥大化する勢いだ。同社は財団を通し、来年末までに7000万食分を困窮する家庭に配布するため、250万ドルの寄付を実施するという。

米国の消費は全体的に落ち込んでいるものの、消費者たちには「チープがクール(かっこいい)」と強がる余裕が見られる。しかし、この経済危機が来年以降も長引けば、消費はまさに氷河期を迎えるだろう。

米国民がクリスマスを前にウィッシュリストを渡したいのはサンタクロースではない。来年1月20日に現れるバラク・オバマ新大統領だ。困窮する生活の中で、オバマに対する景気回復期待は膨らむばかりだ。


(週刊東洋経済)
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