50代以下の公務員こそ老後が結構心配な理由 安定神話は過去の話、しっかりお金の計画を

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iDeCo(個人型確定拠出年金)です。2017年1月からスタートしたiDeCoに、公務員と専業主婦が新たに加入できることになりました。公務員であっても将来どうなるかわかリません。そこで、公務員も老後資金を自らで準備したほうがいいということで、国が法律を変えました。

2018年(平成30年)8月現在のデータでは、iDeCoスタート前には30万人ほどだった加入者が、1年半ほどで100万人を突破しています。なかでも、公務員が20万人と全体の5分の1を占めるほどに拡大しているのです。

iDeCoは、自らの資金で積み立てる年金制度です。職業によって毎月の掛け金が変わってきます。そして、掛け金のすべてが所得税、住民税から控除されます。つまり、掛け金分が節税になるのです。さらに、毎月積み立てる掛け金は、定期預金に入れられるほか、投資信託を定期購入することもできます。もし、iDeCoで運用している投資信託に運用益が発生した場合、通常、株や投資信託の運用益に課税される20%ほどの税金はかかりません。簡単な説明ですが、とにかく、やらないのはもったいないお得な制度なのです。

専業主婦は、預金するならiDeCoに加入すべき

佐藤さんはiDeCoのことを知っていましたが、まだ始めていませんでした。これから始めると毎月の掛け金は1万2000円で、5年間の積み立てで元本は72万円になります。月1万2000円なら、1日400円なので負担なくできそうです。佐藤さんの場合、所得税率20%と住民税10%と合わせて還付される税金は、5年で21万6000円です。積み立ては60歳までという期限付きですから、1日も早くスタートするとよいでしょう。

そして、専業主婦の妻もiDeCoに加入できます。毎月の掛け金は2万3000円の枠が用意されています。夫婦で加入すれば、運用益非課税を2人で受けられるのです。

運用益非課税という点では、つみたてNISA(少額投資非課税制度)も活用できます。つみたてNISAは年金ではありませんが、運用の仕組みはiDeCoとほぼ同じです。佐藤さんは、旅行資金としてつみたてNISAを始めることにしました。年間の掛け金の上限である40万円をかける予定です。旅行という目的が決まっているので、モチベーションが確実に高まります。

このようにiDeCo、つみたてNISAも、50代の人は今すぐ始めるべきことの1つです。かつては将来が安泰と言われた公務員ですが、状況は確実に変わってきています。少子高齢化、長寿の時代に老後も楽しく過ごすためには、うかうかしていられません。まずは、佐藤さんのように、簡単にシミュレーションすることをお勧めします。

木田 美智子 ファイナンシャルプランナー(CFP®)

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きだ みちこ / Michiko Kida

郵便局で37年間勤務、退職後、独立。多くのお客様との出会いと経験を生かし「気軽に相談できるファイナンシャルプランナー」として活躍中。「確定拠出年金相談ねっと」認定のFP、DCアドバイザー、金融知力インストラクターや、各種FP団体役員としても活躍。大学の資格取得講座講師や横浜市内の小学校で「上手なお金の使い方」の講師など金融教育にも力を入れる。郵便局社員向けやFP向けなどの各種セミナー活動も熱心に行っている。

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