「定年後も働くと年金は減額される」は本当か

60歳以降「損する働き方」「得する働き方」

年金は60歳以降も働くと場合によっては減らされることがある。定年後の働き方は年金のもらい方と密接に関係する(写真:kikuo/PIXTA)

最近は「人生100年時代」と言われるようになり、今後はますます「定年後も働き続ける」ことが当たり前になっていくと予想されています。

「働き続けると減額される年金」がある

しかし、こうした流れを受け、今「ある年金に影響が及ぶ」と言われています。その年金とは、在職老齢年金制度のことです。2018年6月に、この在職老齢年金制度について「見直しを検討する」と報道されました。「働くことで、もらえるはずのものがもらえなくなる」と、働くモチベーションが下がってしまうというのが検討の理由です。

政府は「高齢者の労働意欲をそぐのは経済的な損失」として、「2020年の国会での法改正を目指し制度の廃止も視野に入れる」などとしています。

実際、筆者はファイナンシャルプランナーとして企業研修の講師を担当することが多いのですが、この在職老齢年金については、特に定年前の社員を対象としたライフプランセミナーで「働くことは、損なのか」「どのくらい損をするのか」「損をしない働き方を教えてほしい」などといった質問をよくいただきます。

しかし、「働いて損をするかどうか」は、人によって異なります。また、実際年金が減額されたところで、それが本当に大きな「損失」なのかどうかも、やはり人によるのです。「働くと、損をするらしい」といったあいまいな情報で、早計な判断をしている方も散見するので、今回は「在職老齢年金」について、お伝えしていきたいと思います。

「在職」とは、「会社員」のことで、こうした方の年金を調整する制度です。公的年金には、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)がありますが、調整の対象となるのは、会社員のみの上乗せ年金、老齢厚生年金です。「引き続き会社員として働いているのであれば、老齢厚生年金はまだいりませんよね」というのがこの制度の趣旨です。

在職老齢年金という仕組みは、60歳以降の給与の額と老齢厚生年金の額を合算して一定の金額以上となった場合、超過分を老齢厚生年金から調整する、つまり、老齢厚生年金の支給を一部あるいは全部を停止する仕組みです。

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