「タッパーウェア」の凄さ、知っていますか? 保存容器大手、実はアップルのような高収益企業

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――具体的にどんな商品を拡充したのでしょうか。

「キッチンで過ごす時間を少しでも短くしたい」という需要に応える器具だ。たとえば「スピーディーチョッパー」は、取っ手のついたひもを引くだけで、野菜や果物を簡単にみじん切りに出来る。パーツはふた部分、ボウル部分の2つしかなく、片付ける際も簡単な水洗いで済ませられる。

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タッパーウェアが販売している容器。手前が「スピーディーチョッパー」

オーブンや電子レンジ、冷凍などのすべてに対応できる容器も評判がいい。たとえば電子レンジで料理を温めた後、そのまま食卓に並べられるかわいいデザインになっており、皿を別に用意する必要がない。

キッチン用品に限らず、ほかにも収納ケースやランチボックスなどで独自の製品を拡充してきた。今ではこれらの製品が成長の牽引役となっており、かつて売上高の大半を占めていた保存容器は、今では全体の3分の1程度になっている。

加速するグローバル展開

われわれはさらに、従来の保存容器も進化させている。野菜用のものでは、開閉具合を調節できる通気口を付けた新製品を出した。根菜、葉物など、種類に合わせて最適な状態で保存できるため、従来品より2倍野菜を長持ちさせられるようになった。どの野菜でどれくらい通気口を開ければいいかは、容器の側面にわかりやすく図解している。こういったものは、低価格の類似品と比べても競争力が高く、今でもわれわれの看板商品として貢献している。

――2012年度の売上高に占める構成比はアジア30%、南米28%と10年前(アジア19%、南米12%)に比べて、海外展開が進んでます。

理由を一つを挙げるとすれば、経営体制がグローバルになったことだ。私自身、ヨーロッパや香港にも居住経験があるオーストリア人だ。われわれのナンバー2はイングランド人、人事部門はドイツ人、生産部門はベルギー人、財務部門はチェコ人が統括している。

また各国のマネジメントにおいては、女性がトップに就く割合が非常に高い。簡単に挙げると、インド、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ、ロシア、ポーランドなどたくさんある。イスラム国であるインドネシア、トルコでも社長は女性だ。

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