インドでiPhoneの人気が急落しているワケ

昨年の300万台から今年は200万台へ

インド国内で製造を行わない大手はアップルだけであり、ベンガルールのウィストロン社を通じて低価格の旧機種2種の組み立てを行っているだけである。

業界の情報通によると同社は結果的に70〜80%のスマホ端末を輸入していると言う。そのため高い関税が課せられ、結果として高い価格に反映されるというわけだ。

アメリカでは、基本のiPhone XRモデルの価格は749ドル、およそ5万4400ルピーで、インドにおける小売価格のわずか3分の2である。それだけでなく、アメリカの端末は通信キャリアとの契約により料金の一部を負担させているが、インドのiPhoneはそうではない。

「アップルはインドにプラントを建設して中国から製造ラインの一部を移すことに踏み切れるほどインドの製造システムに自信を持てていない」とITコンサルティング会社IDCのアナリスト、ナヴケンダル・シンは語る。

「このプロセスの中でアップルは優遇措置を受けられたはずの関税の15〜20%を失っています…消費者に還元できたはずの金額です」

がらがらの店舗

光のお祭りであるディワリはインドの電子機器にとって書き入れ時だが、11月3日、ベンガルールの大型ショッピングモールの中にあるアップルの正規販売店には閑古鳥が鳴いていた。

「新たに登場しつつある端末の機能はiPhoneにとてもよく似ています」と販売員のエイジャズ・アーメッドは語り、ここ数カ月で販売台数が低下したことも付け加えた。「見た目さえもそっくりなので、少し離れたところから見たら違いがほとんどわかりません」

ベンガルールや近郊のチェンナイの店舗で働く販売スタッフは、今年頭の中国のワンプラスの最新機種の発売はアップルにとって大きな問題だと指摘した。ワンプラスの6Tは3万7999ルピーで、XRの価格の半額である。

カウンターポイント社のニール・シャーは、その結果インドにおけるアップルのユーザーベースは約10%下がり、900万人ほどに減ることが見込まれると語る。対してアンドロイドのユーザー数は4億3600万人と推測される。

「ユーザーベースが減少しているということは、市場を握る力を失いつつあることを意味します」と同氏は語る。「新しい顧客ベースが育たないのですから」

(取材/ヴィブーティ・シャルマ、アルナブ・ポール、マナス・ミシュラ、アーロン・サルダナ(ベンガルール)。文/パトリック・グレアム、ニヴェディータ・バッタチャルジー。編集/バーナード・オール)

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナでもブームは過熱中<br>不動産投資 天国と地獄

家計のカネ余りを背景に、マンションやアパートなどへの投資熱は冷める気配がありません。しかし、不動産投資にリスクはつきもの。先行きが見通せない状況で、何が優勝劣敗を分けるのでしょうか。現場の最前線を追いました。

東洋経済education×ICT