一日一生 酒井雄哉著
現代の“生き仏”とも称えられる天台宗「大行満大阿闍梨」のインタビューをまとめた。著者は、比叡山延暦寺の荒行として知られる「千日回峰行」を2度満行している。7年かけて約4万キロを歩くこの過酷な修行を2度成し遂げた行者は、400年間に3人しかいない。
どんな立派な経歴かと思うが、その人生は順風満帆ではなかった。予科練に志願し特攻隊基地で終戦を迎えた後、ラーメン屋や株屋などの職を転々、妻にも先立たれるなど、何もかもがうまくいかなかったという。そして40歳で得度、人生が変わる。「一日が一生」だと思い、焦らず腐らずその日を懸命に生きる。過酷な人生を歩んできた人物ならではの言葉は、重く響く。
朝日新書 735円
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