――電力の変換や制御に用いるパワー半導体の主流は、従来シリコンでした。シリコンからSiCに置き換わることで、どのような効果が生まれるのでしょうか。
まずSiCを導入すると、電力損失を大幅に減らせる。電力損失が減れば、車の走行距離が伸びる。(電池とモーターの間で電力をやり取りする)インバーターの場合、当社比でシリコン製からSiCに置き換えることで、3~8%は走行距離を伸ばすことにつながる。つまり、EVやPHEVが同じ距離を走るために必要な電池の容量を小さくできる。現在、電池は非常にコストが高いため、自動車メーカーにとってのコストメリットは大きい。
サイズや重量の面でも大きく変わる。「EVのF1」と言われるフォーミュラEに出場しているあるチームが2017~2018年のシーズンで採用したインバーターの場合、シリコン製からフルSiC製に置き換えたことで、体積で43%、重量で6kg減らすことができた。車体の軽量化にもつながり、燃費は向上する。
材料メーカーまで押さえている強み
――SiCの分野におけるローム独自の強みはどこにあるのでしょうか?
2012年にパワーモジュールで世界初の量産化を行ったことが大きい。そこからは世界最先端を走り、実績を築いてきたことで、SiCの分野においてブランドを確立することができている。研究開発は、京都大学や大阪大学などさまざまな大学の先生と協力し、産・学で進めている。開発に関わった優秀な学生が、その後入社してくれるため、技術力も向上するというサイクルができている。
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