積立預金で「結局は損してしまった人」の盲点 社内預金や財形貯蓄を検討するのが先だ

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銀行の標準金利が0.001%なら、少しでも金利の高いところに預けたいと思うのが自然かもしれません。でもこれが、お金を貯めようと思ったときに陥りがちな「やってはいけない預金」です。

どうせ預けるなら、少しでも金利でトクをしようと思うものですが、給与が振り込まれる口座と違う銀行で積立預金を始めると、結局損をするケースが多いのです。

利率のよい銀行で、積立「預金」をしてはいけない

積み立てるお金を振り込むために、まず手数料が毎月掛かります。手数料を避けて毎月持っていくとしても、その手間が面倒になってやめてしまう人もいるでしょう。積立を中断すれば、そこからお金が増えることはありません。

お金を貯めるには、コツコツと積立をしていくことが大切ですが、積立にも検討する順番があります。有利に積立をしたいと思うなら、検討する順番を間違わないことです。

検討する順番は、次のようになります。

(1)社内預金
    ↓
(2)財形貯蓄
    ↓
(3)給与振込銀行での自動積立

会社に(1)の社内預金がある人は、社内預金の枠いっぱいに積立をしましょう。なぜ、社内預金がいちばんかと言えば、あらかじめ給料から引かれてしまうので、税金だと思えばあきらめもつきやすいから。

また、社内預金の金利は、最低でも0.5%以上と決まっています(労働基準法第18条第4項の規定に基づく省令)。現在の銀行金利は0.001%ですから、銀行の500倍もの金利がつくということです。

会社に、社内預金はないが(2)の財形貯蓄はあるという人は、社内預金よりも金利は低いですが、財形貯蓄も社内預金と同じように給与天引きなので、一度申し込めば、忘れていてもお金が毎月貯まります。

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財形貯蓄には、一般財形、住宅財形、年金財形の3種類がありますが、まずは住宅財形からスタート。一般財形は通常の預金同様に利子に税金がかかりますが、住宅財形と年金財形は元金550万円までは条件に合った使用をすると利息から税金を引かれません。もし条件に合っていない使用の場合は、5年間さかのぼって課税されます。

会社に、社内預金も財形貯蓄もないという人は、(3)給料が振り込まれる銀行の自動引き落としで積立をしましょう。給料が振り込まれた次の日くらいに積立が引き落とされるようにセットしておくといいでしょう。

貯まらない、とマイナスの烙印を押されがちの預金ですが、わずかであっても利息がつき、元本割れがないという点では、ほかの金融商品にはない利点を持っています。「投資礼賛時代」だからこそ、身近な預金を味方につけて、まず足元を固めましょう。

荻原 博子 経済ジャーナリスト

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おぎわら ひろこ / Hiroko Ogiwara

 1954年、長野県生まれ。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。経済の仕組みを生活に根ざして解説する、家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『払ってはいけない』(新潮新書)、『老前破産』(朝日新書)、『年金だけでも暮らせます』(PHP新書)など多数。

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