積立預金で「結局は損してしまった人」の盲点 社内預金や財形貯蓄を検討するのが先だ
日銀がマイナス金利政策を始めた当時、当座預金の預金残高は約270兆円。ところが、この当座預金残高が減るどころか、2018年5月時点で390兆円と、120兆円も増えているのです。手数料を取られるので預けたくはないが、融資も投資もできないので預けざるをえない。それくらい、銀行は運用に困っているということです。
マイナス金利政策の結果、それまで銀行を支えていた、「お金を貸して利息を稼ぐ」というビジネススキームは完全に崩壊してしまいました。
銀行の3つの生き残り戦略
2018年3月末の決算を見ても、銀行は軒並み収益が悪化しています。それも、今回だけのことではなくマイナス金利政策導入以来、真綿で首を絞められるようにじわじわと悪化しています。こうした状況のなかで、銀行が生き残る方法は3つしかない。
(2)「イチかバチかで利益が高そうなところで勝負する」
(3)「手数料をさまざまなところで稼ぐ」
(1)の「少しでも利率の高い、カードローンやマンション投資に力を入れる」では、多くの銀行がカードローンで多額の貸し込みをすれば、自己破産が急増して社会的に問題化しています。また2018年、シェアハウス投資で多くの破綻者が出て、スルガ銀行など融資した銀行が糾弾されています。ですから、この分野に進出するのは難しい。
(2)の「イチかバチかで利益が高そうなところで勝負する」という方法ですが、これは銀行が最もやりたくないこと。もし、勝負に出て負けたら、デフレの中では取り返しがつかないことになって、屋台骨が傾ぐ可能性があるからです。
残る生き残り策として最も大きいのが、(3)「手数料をさまざまなところで稼ぐ」ということ。稼ぐのに最も有効なのは、銀行利用者に投資をさせること。投資でお金を出す人は、儲かることもあれば損することもあるのでリスクを負います。けれど、金融機関は投資する人が儲かっても損しても、必ず手数料を稼ぐことができるので、ノーリスクで儲けられるのです。
もう1つ手数料を稼ぐ方法が、振込手数料をはじめとした各種手数料を取ること。その一環として、大手銀行では、今まで無料だった銀行の口座の維持管理手数料を取ることを検討し始めています。
だとしたら、銀行口座はバラバラと持っているよりも、なるべくまとめたほうがいいということになります。今のうちに、なるべくまとめて数を減らしておきましょう。
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