「偏向報道」批判は、沖縄の現実を見ていない 「沖タイ」「新報」が示すジャーナリズムの未来

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――大学でジャーナリズム論を教えていらっしゃいますが、教育の現場でどんな実践をしていきますか。

「ジャーナリズム学」を確立したいと思い、2019年4月に専修大学に日本初のジャーナリズム学科をつくりました。ジャーナリズムを日本に根付かせるというための活動を大学をベースにしてやっていこうと。

「ジャーナリズムリテラシー」を高める

その学科ではコンピュータ・サイエンス科目の履修も必修です。単にエクセルやワードができるレベルではなくて、ウェブページでデータマッピングができるようにする。スマホで動画を撮って編集してYouTubeにアップするための授業もします。

山田健太(やまだ けんた)。1959年京都市生まれ。専修大学人文・ジャーナリズム学科教授。専門は言論法、ジャーナリズム研究。日本ペンクラブ専務理事、情報公開クリアリングハウス理事を務めるほか、自由人権協会理事・事務局長、BPO放送人権委員会委員などを歴任。主著に『放送法と権力』(田畑書店、2016年)、『法とジャーナリズム』(学陽書房、2014年)、『現代ジャーナリズム事典』(三省堂、2014年、監修)ほか多数。(撮影:ヒダキトモコ)

そういうエンジニア的な作業は21世紀のジャーナリストにとっては必須です。加えてアーカイブ技能の習熟やスポーツ・インテリジェンスも併せて、4本柱にします。「メディアリテラシー」ではなく「ジャーナリズムリテラシー」を高めようと思っています。

――これからのジャーナリズム研究に求めるものとは。

民主的な社会においてはジャーナリズムが必要不可欠であることが社会全体の合意にならないといけない。同時にジャーナリズムを支える制度的な保障というのは表現の自由なわけですから、きちんと日本型の表現の自由がよりうまく機能していくように制度設計も必要です。

今の日本は声が大きい人の意見がなんとなく通りやすい社会になっていて、同時にそれが社会の分断化にも繋がっている。それをつなぎ合わせる力を持っているのが本来のジャーナリズム。

その仕事がしやすい環境をどうつくるか、その仕事に携わりたい学生をどう育てるのか、ジャーナリズム活動を支える市民をいかに増やしていくのかが僕ら教育に携わる者の仕事です。

成相 裕幸 会社四季報センター 記者

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なりあい ひろゆき / Hiroyuki Nariai

1984年福島県いわき市生まれ。明治大学文学部卒業。地方紙営業、出版業界紙「新文化」記者、『週刊エコノミスト』編集部など経て2019年8月より現職。

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