「偏向報道」批判は、沖縄の現実を見ていない 「沖タイ」「新報」が示すジャーナリズムの未来
――大学でジャーナリズム論を教えていらっしゃいますが、教育の現場でどんな実践をしていきますか。
「ジャーナリズム学」を確立したいと思い、2019年4月に専修大学に日本初のジャーナリズム学科をつくりました。ジャーナリズムを日本に根付かせるというための活動を大学をベースにしてやっていこうと。
「ジャーナリズムリテラシー」を高める
その学科ではコンピュータ・サイエンス科目の履修も必修です。単にエクセルやワードができるレベルではなくて、ウェブページでデータマッピングができるようにする。スマホで動画を撮って編集してYouTubeにアップするための授業もします。
そういうエンジニア的な作業は21世紀のジャーナリストにとっては必須です。加えてアーカイブ技能の習熟やスポーツ・インテリジェンスも併せて、4本柱にします。「メディアリテラシー」ではなく「ジャーナリズムリテラシー」を高めようと思っています。
――これからのジャーナリズム研究に求めるものとは。
民主的な社会においてはジャーナリズムが必要不可欠であることが社会全体の合意にならないといけない。同時にジャーナリズムを支える制度的な保障というのは表現の自由なわけですから、きちんと日本型の表現の自由がよりうまく機能していくように制度設計も必要です。
今の日本は声が大きい人の意見がなんとなく通りやすい社会になっていて、同時にそれが社会の分断化にも繋がっている。それをつなぎ合わせる力を持っているのが本来のジャーナリズム。
その仕事がしやすい環境をどうつくるか、その仕事に携わりたい学生をどう育てるのか、ジャーナリズム活動を支える市民をいかに増やしていくのかが僕ら教育に携わる者の仕事です。
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