爆笑問題「不謹慎ギリギリな笑いを狙う理由」 太田光が語る「芸人の果たすべき役割」

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行くも地獄、戻るも地獄なんだけど、不謹慎だって言われるギリギリのところを狙わないと「あいつら、日和ってネタにしなかったな」って思われるから。

これだけ長くやってると、そうやって「ああ、そこには触れなかったんだ」って思われるだろうな、っていうのはつねにあるから。

触れにくいネタでもやらないといけない。やっぱりそこで客席が変な空気になるのが嫌なんだよね。こっちの考えすぎかもしれないけど、何となく伝わってくるから。

――お客さんがどう思うかをつねに気にしているということですね。

太田:要は、ウケるかウケないかの世界なんで。日和ったと思われたくはないし、かといって引かせたくもない。

「怒られる」とかではなくウケるかどうか

――『時事漫才』のまえがきで、地下鉄サリン事件をネタにしていた時代と現在を比較して、「いまはその時代とはお笑いの許容度が大きく隔たっている」と書かれていますが、許容度が変わったというのは具体的にはどういうことでしょうか。

『時事漫才 爆笑問題の日本原論』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

太田:本質は変わらないと思うんだけどね。テレビっていうくくりで言うとそんなに変わってないかな。

田中:ただ、分野によりますね。「オカマ」っていう言葉を使えるかどうかとか、LGBTに引っかかるようなことは本当に厳しくなっている。ここ5年とかでも全然違う。

――『とんねるずのみなさんのおかげでした』で石橋貴明さんが演じる「保毛尾田保毛男」というキャラクターが問題になったこともありましたね。

田中:まさにあれが典型的ですよね。それこそ北朝鮮のネタをテレビでガンガンやれるなんて、10~15年前じゃ考えられなかったことですからね。あと、パワハラ、セクハラ的なことも、いまではお客さんが引いちゃう場合もある。

こっちはウケればいいんだけど、引くんだったらやらない。「怒られる・怒られない」以前に、それはちょっと考えますね。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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