子どもへの性的虐待 森田ゆり著
「使い方を知らないペニスはちょんぎってほしい」。これは7歳で強姦された少女の言葉だ。被害者を生涯にわたって苦しめる「子どもへの性的虐待」に日米でカウンセラーとして向き合った著者が、問題の実情を紹介する。
「父による娘への暴行」、「男の子への虐待」など一般社会では衝撃的な事件が、相談現場に頻繁に持ち込まれている。幼い被害者は「加害者」と「社会」から沈黙を強いられ、表面化しないのだ。
日本では問題への対応が欧米諸国に比べておくれているという。予防策として刑罰の強化や性教育の拡充など、制度整備が必要だが、同時に長い営みを通じて被害者の心の救済を図る「社会の優しさ」も大切であると、力説する。
岩波新書 777円
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