主要野党「小競り合い」で望めぬ参院選"共闘" 立憲・国民に故・仙谷氏の嘆きは届かず?

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2016年の前回参院選では、すべての1人区で野党一本化が実現し、東北を中心に11選挙区で自民に競り勝った。だからこそ、来夏参院選では「選挙共闘をさらにバージョンアップする必要がある」(小沢氏)わけだ。そこで課題となるのが、強固な組織を持つ共産党との連携だ。しかし、立憲民主、国民民主両党を支援する連合と共産との対立は根深く、両党も共産との直接交渉には否定的だ。

このため、民間団体の「市民連合」を仲介役とする構想が浮上しているが、共産は「政党同士のきちんとした話し合い」を主張して譲らない。さらに共産は、最低でも3選挙区での自前候補擁立を目指し、野党間での共通公約作成や相互推薦も求めているが、立憲民主、国民民主両党は「保守層の票を失う」と及び腰だ。

また、改選数2以上の複数区でも、立憲民主と国民民主の利害が対立している。旧民主党系現職のいる2人区で他党の協力を求める国民民主に対し、立憲民主はすべての複数区に独自候補を擁立する方針で、水面下での激しいせめぎ合いが続いている。「複数区は各党バラバラ」では1人区の共闘にも影響するだけに、国民民主の玉木代表は立憲民主などに連携を呼びかけるが、立憲民主は応じる気配をみせない。

こうしたあつれきの緩和には、臨時国会の与野党攻防での本格的共闘が特効薬となる。ところが、19日の臨時国会での会派届け締め切りを前に、立憲民主、国民民主両党が野党の参院第1党(会派)の座をめぐって醜い争いを展開している。前通常国会までは国民民主が参院第1党だったが、ここにきて旧民進党系参院組の無所属議員の立憲民主会派入りや、国民民主の不満分子の離党などで、立憲民主が第1党の座を奪う情勢。だが、国民民主も自由、社民両党に「統一会派」を打診するなど敵意をむき出しにしている。

立憲民主と国民民主は衆参合計議員数で大きな差はないが、政党支持率では1桁台後半の立憲民主に対し、国民は1%以下とミニ政党並みだ。「もともと同根」という事情もあり、国民民主には「選挙にらみの離党予備軍」はまだまだいるとみられている。立憲民主が選挙協力で腰が重いのも、「両党のせめぎ合いが続けば、国民民主から立憲民主入りを希望する議員がさらに拡大する」と読むからだ。

旧民進党の代表経験者で、「立憲民主と国民民主の仲介役」を自認する無所属の会の岡田克也代表は、「最後は合流するしかない」と繰り返すが、「第1党争い」で双方の感情的対立は強まるばかりだ。「野党の中心はわれわれ」との意識が強い立憲民主側には、有権者に根強い「民主党政権時代への不信感」を国民民主に押し付けて再出発したいという政治的思惑が見え隠れすることも、国民民主をいらだたせている。

共産は「相互推薦」を呼びかけるが

これとは別次元の難題が共産との共闘だ。志位和夫共産党委員長は13日の第5回中央委員会総会(5中総)で「参院1人区で、今度こそ『本気の共闘』を実現するために全力を挙げる」と宣言した。主要野党間の選挙協力が本格化した2016年参院選では、民進、共産など4野党が1人区で候補者を一本化した。

ただ、2016年の共闘は公式の政党協議を経ない「水面下の談合」で共産党が譲歩したもので、共産党の獲得議席も減少した。だからこそ、志位氏は党内説得のためにも「単なる『すみ分け』ではなく、政党間の真剣な協議が必要」(志位氏)と主張するのだ。

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