米選挙、民主党が勝ったら株価は暴落するか 2018年の中間選挙情勢は1998年に似ている

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ただし、地方の女性には、過度な「#Metoo」現象は「私たち女性の雇用を奪うのでは」との懸念がある。

中間選挙での個別の注目はフロリダ州

結局、今後の方向性は下院だけではなく、上院の結果で判断するしかない。現段階の結論として、トランプ大統領と共和党は民主党の攻撃を瀬戸際で食い止める、とみている。「下院は民主党が逆転、上院は共和党が死守」との巷の予想は妥当だ。ただし中間選挙で最も注目すべき個別の戦いは、実は議会選挙ではない。それはフロリダの知事選挙である。

フロリダが大統領選挙でいかに重要な州かは、もはや説明不要だ。今回はトランプ氏に近いヒスパニック系共和党候補のロン・デサンティス氏と、バーニー・サンダース氏に近い民主党の黒人候補・アンドリュー・ギラム氏の一騎打ちだ。現状は3ポイント前後民主党のギラム候補がリードしている。フロリダ州では「ブッシュVSゴア」の大接戦となった2000年の大統領選挙では、ブッシュ氏の弟のジェブが知事だったことは、記憶に新しい。

実際、トランプVSヒラリーの2016年の大統領選の接戦をみても、大統領選での知事の力は絶大だ。例えば、民主党のギラム候補は、現行法で投票権を奪われている重犯罪経験者の投票権復権を掲げており、実現すれば恒久的にフロリダを民主党色に変えてしまう可能性がある。

いずれにしても、中間選挙後、下院でトランプ大統領への弾劾が起きても、上院が盤石なら弾劾は成立しない。ただし下院が民主党に移れば、経済面で株価を支えた「トランプアジェンダ」は後退する。政治面のグリッドロック(膠着状態)は、金融緩和局面では株価のサポートになった。だが金利上昇の局面では、実体経済より先走った結果のメッキが剥がれるリスクが大きくなる。

また、今の金融市場には中間選挙よりも重要なことがある。それは先週の株の下落理由が本当に金利上昇かどうかの分析だ。個人的にはまだ確信はないのだが、本当に金利上昇が原因なら、株の下げはこんな程度では済まないはずだ。

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