JALが「矢継ぎ早」海外提携に踏み込んだ背景 ハワイ、中国、東南アジア…空白地帯を埋める

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今年4月に就任した赤坂祐二社長は、「収益性をきちんと確保することが最重要。そのうえで路線網を広げる方法として、他社との提携を進める」と話す。「パイロットなどのリソースを考えれば、自社便ばかりを増やすのは得策じゃない」(国際提携を担当する大島秀樹執行役員)。

JALが所属する航空連合「ワンワールド」は他の連合に比べて加盟社数が少ない(撮影:尾形文繁)

今般提携した各社に共通するのが、ワンワールド加盟社ではないということだ。ワンワールドは、世界に三つあるアライアンスの中で加盟社数が13社と最も少ない。「スカイチーム」は20社、スターアライアンスは最多の28社だ。ただ「ワンワールドはアライアンス外の会社と提携することに対しての“縛り”が強くない」(大島氏)ことが、提携を拡大できる一つの理由になっている。

「共同事業」という深い提携の形

さらに、ハワイアン航空、アエロフロート・ロシア航空、中国東方航空、ガルーダの4社とは今後、通常のコードシェアの枠組みを超えた共同事業(ジョイントベンチャー〈JV〉)に踏み込む。

JALはアエロフロート・ロシア航空と共同事業(JV)に踏み込む。現在は同じロシアのS7航空とも提携しているが、アエロフロートとはモスクワの拠点空港が異なる(撮影:尾形文繁)

JVは各国競争当局の独占禁止法適用除外(ATI)の認可を受けたうえで、対象となる路線の収入分配やダイヤ調整、共同運賃の設定などを可能とするもの。“路線限定の経営統合”といったところだ。

通常のコードシェアの仕組みでは、提携する航空会社から一定数の座席を買い、それを自社の販売網で売る。だがJVではそうした区別がない。

JALは米国路線で米アメリカン航空とJVを展開している。たとえばJALが自社便の座席を売っても、アメリカンの座席を売っても、等しく自社の収入となる。自社便を拡大するよりもリスクを抑えられ、一定規模の収入も確保できる。前出の大島氏は、「アメリカンとのJVにより、米国の大企業から法人契約を取れるようになった。逆もまたしかり」と満足げだ。

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