欧州高級車メーカーのEVはテスラに迫れるか 2019年から集中投入も性能横並びで激戦必至

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アウディの次世代EVコンセプトカー「PB18 e-tron」。液体個体電池を採用し、15分の超急速充電にも対応可能(記者撮影)

さらに、アウディは次世代EVのコンセプトカー「PB18 e-tron」を世界初公開。3モーターの4輪駆動、航続距離は500km。全固体電池を搭載し、15分の超急速充電やワイヤレス充電にも対応する設計という、ハイパフォーマンスカーらしいスペックだ。

ジャガーも先日、日本でも受注を開始した初のEV「I-PACE」と、そのプラットフォームを展示した。こちらも2モーター4輪駆動のSUV、航続距離は470km。40分で80%の急速充電が可能で、一足早く2018年より販売を開始する。次のEVモデル「E-TYPE」の発売も決まっている。

プレミアムEVは大激戦が予想される

ジャガー初のEV「I-Pace」を一目見ようと、ブースの外には長蛇の列ができた。予約目的の客も多かったという(記者撮影)

今回出そろった欧州プレミアムメーカーのEVには、次のような特徴がある。4輪駆動のSUV、 前後に1つずつモーターを置く2モーター、 航続距離は400〜500km、 販売開始は2019〜2020年がメド。

ちなみに今年4月の北京モーターショーで世界初公開されたBMW「iX3」もSUV、航続距離は400kmで2020年発売予定。フォルクスワーゲンの新EV「I.D.」は、航続距離が330~550km、発売は2020年前後と発表されている。さらにポルシェも初のEV「タイカン」を2019年に発売する。

あらためて見ると、欧州プレミアムカーメーカーのEVは、発売時期、ともにほぼ“横並び”と言っていい。価格は未定としているものが多いものの、e-tronやI-Paceの価格から推し量ると、7万ドル(約790万円)前後が目安になりそうだ。人気のSUVモデルがほぼ同時期に販売されるとなると、厳しい競争は避けられそうにない。

ホンダの「アーバンEVコンセプト」。市販モデルは2019年に欧州で発売予定だ(撮影:尾形文繁)

日系メーカーはどうか。日産自動車は「リーフ」を2010年に発売し、昨年初めて全面刷新した。ホンダは昨年、アメリカで「クラリティEV」を発売。今後EVの主戦場となる中国市場には、日産が「シルフィEV」、ホンダがSUV「ヴェゼル」をベースとした「理念EV」、トヨタが「C-HR EV」などを投入する計画だ。ホンダは2019年の欧州を皮切りに「アーバンEVコンセプト」の市販モデルも発売する。ただ、いずれも環境規制への対応が目的で、グローバルに展開するEVはまだ出そろっていない。

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