若手社員が「利益至上主義」を嫌う本質的理由

「お金の若者離れ」が進んでいる

オッサンがつい語ってしまう「利益」哲学は、若者の目にどう映っているのか(イラスト:OCEANS)
30代~40代のビジネスパーソンは「個を活かしつつ、組織を強くする」というマネジメント課題に直面している。ときに先輩から梯子を外され、ときに同期から出し抜かれ、ときに経営陣の方針に戸惑わされる。しかし、最も自分の力不足を感じるのは、「後輩の育成」ではないでしょうか。
20代の会社の若造に「もう辞めます」「やる気がでません」「僕らの世代とは違うんで」と言われてしまったときに、あなたならどうしますか。ものわかりのいい上司になりたいのに、なれない。そんなジレンマを解消するために、人材と組織のプロフェッショナルである曽和利光氏から「40代が20代と付き合うときの心得」を教えてもらいます。

「お金は汚いもの」は江戸時代の質素倹約精神のなごり?

今回のテーマは「お金」です。日本人はお金を稼ぐこと、富を得ることに対して、そこはかとない嫌悪感を抱いている人が多いとよく言われます。「お金は汚い」、もしくは「お金に汚い人は汚い」、そう考えていると。

当記事は、『OCEANS』の提供記事です。元記事はこちら

理由は、いろいろ唱えられていますが、例えば、近世の為政者であった徳川家康を開祖とする江戸幕府が、革命や下剋上を防ぐために人々に財力をつけさせないよう、参勤交代などの諸施策とともに、仏教の布教などを通じて強烈に質素倹約の精神(「清貧の思想」的な)を人々に注入し、日本人は慎ましやかに暮らすことが美徳であり、金儲けのことばかり考えているのは下品であるという考えになっていったという説などが有力なものとしてあります。

実際、日本人は現代に至るまで、お金の話を公然とするのはタブーであるとされていますし、仕事でさえもお金を稼ぐためではなく、「働くとは、『傍』(はた)を『楽』(らく)にすることだ」などのダジャレがいつまでも全国の職場に流通しています。特に若者は生まれたときから裕福に何不自由なく暮らしてきたため、この傾向が強い、と。しかし、これは本当なのでしょうか。

もし、我々オッサン世代の人がこれを鵜呑みにしていて、タイトルのように若者が「そこまで利益が大事か」と言うのを聞いたのであれば、おそらくその人は「お金を稼ぐことは悪いことじゃない」と若者に説教を垂れることになるでしょう。パナソニックの創業者である経営の神様、松下幸之助の利益に対する考え方などを引き合いに出したりなどして。

「確かに、利益の追求自体が企業の最大使命ではない。しかし、事業を通じて社会に貢献するという使命を遂行し、その報酬として社会から与えられるのが利益なのだよ。企業は利益から税金を納めることで、社会の福祉に貢献することになるんだ。利益を生み出せない会社は、社会に何らの貢献をしておらず、本来の使命を果たしていないんじゃないかな。だから『赤字は罪悪』だと思うよ(以上、ほぼ松下幸之助の受け売り)」

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