トランプ一族、470億円「巨額脱税」の全貌 ニューヨーク・タイムズ紙のスクープ
特に注目に値するのは、この資料にはフレッド・トランプ氏自身、彼が経営する複数の会社および、さまざまなトランプ提携会社と信託会社から提出された200枚以上の納税申告書が含まれている。
この記録文書には大統領個人の納税申告書は含まれていないので、彼の最近の国内外の商取引についてほとんど何も明らかにならないが、数十におよぶ企業、提携会社、そして信託の納税申告書によって、トランプ大統領が何十年にもわたって一族のさまざまな企業から得てきた収入の会計報告が初めて明らかになったのだ。
一連の証拠から第45代アメリカ合衆国大統領の財政面における経歴が明らかになったが、これはトランプ氏が自身の著書、テレビ番組、そして政治家としての人生を通じて語ってきた話と根本的に食い違っている。
トランプ氏はどうやって富を築いたのか
どうやってトランプ氏は富を築いたのか。トランプ氏によると、同氏は父親のアウター・ボロー(ニューヨークのマンハッタン以外の行政区)での「ちっぽけな」事業から抜け出した交渉の達人で、父親から一度だけ受けとった100万ドルの融資(「父には利子付きで返済しなきゃならなかった!」)を運用して100億ドルの帝国を築き上げ、世界各地のホテル、高層ビル、カジノ、航空会社、ゴルフ場でトランプ・ブランドを展開してきたのだという。
トランプ氏の話では、失敗を乗り越えることができたのはつねに、自分に根性と度胸が備わっていたからだという。そしてフレッド・トランプ氏は、ただのチアリーダーにすぎなかったのだと。
「私はすべてを自分で築き上げた」とドナルド・トランプ氏は語っているが、これは、入手した情報をそのまま軽率に反映しがちな報道により、長らく拡散されてきた内容だ。タイムズ紙もまた、そういった報道をする報道機関の1つだ。
一握りのジャーナリストや伝記作家、とりわけウェイン・バレット氏、グウェンダ・ブレア氏、デイビッド・ケイ・ジョンストン氏、そしてティモシー・L・オブライエン氏がこの話、特に100億ドルの財産があるという主張に疑問を投げかけている。