FRB議長「米経済の拡大はかなり長期」に

12月利上げやその後の引き締め観測が強まる

 10月3日、米連邦準備理事会(FRB)当局者は、緩やかな利上げによってインフレを統制できると見方を引き続き示した。写真はFRBのパウエル議長。ワシントンで3月撮影(ロイター/Yuri Gripas)

[サンフランシスコ/ニューヨーク 3日 ロイター] - 3日の米金融市場で長期金利が大幅に上昇し、市場でインフレへの懸念が強まっている可能性を示唆する格好となった。ただ、米連邦準備理事会(FRB)当局者は、緩やかな利上げによってインフレを統制できると見方を引き続き示した。

3日の米債券市場では、9月のADP全米雇用報告とISM非製造業総合指数が好調となったことを手掛かりに、10年債利回り<US10YT=RR>が2011年以来の水準に上昇。市場の利上げ観測を反映する2年債利回り<US2YT=RR>は2.876%と、2008年6月以来の高水準を付けた。

投資家はこれまで、FRBが想定しているほど実際に利上げが行われるか懐疑的だったが、経済指標が好調だったことで、FRBが12月に追加利上げに動き、その後も引き締めを継続するとの観測が高まった。

パウエル議長はこの日ワシントンで行った講演で、米経済は「際立って良好」とし、現在の景気拡大は「実質的に無期限」で続く可能性があるとの見方を示した。また、FRBは想定される中立金利を若干上回る水準に政策金利を引き上げる可能性もあると指摘した。

国債利回りの大幅上昇はインフレに関する懸念の拡大を示唆している可能性がある。一部のアナリストは、世界経済の見通しを巡る懸念の後退に加え、インフレに関する懸念の拡大が利回りを押し上げたと指摘。プルデンシャル・フィナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「市場ではパウエル議長がソフトランディング(軟着陸)を導くことができるかという問いが浮上している」と話した。

DRWホールディングスのアナリスト、ルー・ブライエン氏は「利回り上昇とインフレに対するパウエル議長の楽観的な姿勢に関連性があるとすれば、それは緩やかな利上げでは不十分ではないかという懸念であり、またインフレ加速の兆候は見られないという議長の自信は的外れではないかという懸念だ」と述べた。

クリーブランド地区連銀のメスター総裁は3日、「利回りが1日で動いたということは心配すべきことではない。市場は不安定なものだ」と述べ、堅調な雇用関連統計や米・メキシコ・カナダ協定の合意がおそらく利回りを押し上げたと指摘。「段階的な利上げが依然適切」との見解を示した。

一方で、一部の当局者は潜在的なリスクに言及し、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁はインフレ加速をもたらす要因を注視すると発言。米経済は好調に見えるが、今後「政治的危機」や英国の合意なき欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)といったショックに直面する可能性があると指摘した。

メスター総裁も、差し迫った懸念材料ではないものの、米国と諸外国との間に目立ったかい離が見られれば注意を要するとの認識を示した。

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