スラウェシ地震、知られざる甚大被害の全容 公式発表の死者数は1407人だが…
「ゾンビの町になってしまった。すべてが破壊された。何も残っていない」と語るリム氏。回線は不安定な状態で会話が途切れる。
「私たちは疲れ果てている。食料も水もない」
30万人の人口を抱えるドンガラ地区の別の地域では、アフマド・デラジャット氏によると、生存者が畑や果樹園で食料を探していると語る。
農場にある食糧を食べるしかない
「現在、私たちが当てにできるのは、農場にある食糧です。サツマイモやバナナなど何でも分け合っています」とデラジャット氏は語る。津波によって家が流されてしまい、残されたものは、バラバラの家具、壊れたトタン屋根、木製の梁だけである。
「なぜヘリコプターで救援物資を落としてくれないのか」とデラジャット氏は尋ねた。
救助隊員のリアン・ゴガリ氏は、ドンガラは震源地に近く、パル北部の海岸道路沿いにある小さな町であることから断絶されており、危険な状態であると説明した。
「みな、水と食料を手に入れることに必死になっている。水、食料、ガソリンがない状態です。無政府状態でもあります」と続けてゴガリ氏は、「私の支援団体はモーターバイクで少しずつ食料を送ることができたに過ぎない」と語った。
ウィドド大統領は、緊急性が高まっていることを強調しつつ、2度目の被災地訪問を行った。オレンジ色の帽子を被り、パルの倒壊したホテルで作業する救助隊員を激励した。
ウィドド大統領は記者団に対し、「本日ここに戻って目にしたものは、重機が到着したことだ。救援物資は最大級のものではないが到着し始めている。燃料は部分的に到着している」と述べた。