自然災害大国の日本に必須な訪日客への喚起 外国人観光客への災害情報発信の整備が急務

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「旅ナカ」について、今回西日本での台風被害と北海道での地震で目立った問題は、災害に遭ったら、どこに行けばいい? 誰と話せばいい? 何をすればいい? といった「相談窓口」がないこと、あるいは、あっても周知されず、たとえあっても情報が少なく十分に機能しないことだった。

今後、「このアカウントをフォローすれば、中国語の災害情報が随時に発信されている」「〇〇地域で困ったことがあったら、△△にメッセージください」といった信憑性が高く、かつ周知されているSNSアカウントを開設することは急務である。

被災した訪日中国人の多くは、情報が日本語しかなく、流れてくる中国語も誤訳が多く、読めない、誰と相談すればいいのかもわからない、という焦りの気持ちにあふれていたようだ。

また、「旅アト」のフィードバックを収集し、課題を抽出、対策の検討が必要だ。たとえば、Q&Aデータを充実させ、スマホを使ったチャットボットなどの活用も期待される。

2020年が観光立国実現に向けたターゲット

もちろん、政府としての情報提供の推進は強く求められているが、企業も安心できるサービスの提供、保険種類の充実、または豊富な防災経験を活かし、海外で展開することも考えられるだろう。

今夏に起こったような台風や地震は受け入れがたい自然現象だが、それが今すぐに訪日中国人の渡航に急ブレーキをかけることはないだろう。

だが、すでに見えている課題にすぐに着手しないと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも、訪日外国人旅行者4000万人達成を目指す観光立国の実現においても、日本に抱くイメージ低下やビジネスチャンスを逸してしまう恐れが高いだろう。

最後に、今回の地震や台風・豪雨で被災された方々に対し、心からお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復興・復旧をお祈りしたい。

劉 瀟瀟 中国若者富裕層ビジネスコンサルティング 代表

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りゅう しゃおしゃお / Xiaoxiao Liu

「中国・北京市生まれ。外交学院卒。東京大学大学院修士課程修了。メガバンク中国法人、大手シンクタンクなどで勤務。2019年7月~20年8月カリフォルニア大学サンディエゴ校国際政策・戦略研究大学院客員研究員。首相官邸観光戦略実行推進会議有識者など政府委員を務め、情報発信実績を多数有する。日本と日本企業の国際パフォーマンスの向上に貢献するために、①日本・中国を中心とした生活者行動②中国人向けマーケティング③日米中のヘルスケアイノベーションについて研究・コンサルティングをしている。趣味はグルメ

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