専制君主制は必ず滅ぶ!米国への警告

オリバー・ストーン単独インタビュー(上)

大野:そのような歴史は、アメリカの教科書では教えられるのでしょうか。

戦争終結のために原爆は必要なかった

ストーン:私も私の子供たちも、こうした歴史を学校で教わることはありませんでした。高校の教科書には、「当時の日本軍には、どんな状況になっても降伏を拒む狂信的な一派があり、それが沖縄や硫黄島での戦いにつながった」「アメリカが原爆を落としたのは、戦争を終結させることで、これ以上日米両国の人命を失わせないためだった」と書かれています。

しかし実際には、アメリカは1941年ごろから日本の通信を傍受しており、「食糧不足に苦しんでいる日本は降伏寸前」ということはわかっていました。トルーマン大統領が、スターリンにポツダム宣言への署名を見送るように促したのも、当時は日ソ中立条約がまだ有効であり、「ソ連はまだ連合国側についていない」と日本に思わせてミスリードする意図があったのです。

またアメリカは、「ダウンフォール作戦」という日本本土への侵攻も計画していた。これが実現していれば、日本は徹底的に破壊されていたでしょう。こうした点を考えても、戦争を終結させるために原爆を投下する必要はけっしてなかったのです。

大野:スターリンはトルーマンの意図に気付いていたのでしょうか。

ストーン:おそらく真意を察しましたね。実際はアメリカは、これは正しい戦争の終わり方でなければならない、満足の行く終わり方でなければならない、多くの命を救ったというメッセージを非常に積極的に国民に伝えるべく頑張ったのです。アメリカを神聖化することが必要だったのです。そうすることで、アメリカは、今まで非合法に使ってきたパワーを持つ役割を世界で担うことを認められたのです。もちろん実際は犯罪ですが、表向きにはそうでないと言っています。

ルーズベルトはスターリンに日本の領土割譲を約束していました。韓国、満州といくつかの島です。トルーマンはそのような割譲を行う意思はまったくありませんでした。

基本的にアメリカは日本に極東に残りました。共産主義を抑止したかったからです。共産主義が強くなるのを望まなかった。ですから、これは原爆ととともに展開していった政策です。今われわれは「世界の警察国家」ですが、その、前兆、基盤になったのが原爆です。それがわれわれの意見です。

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