安倍首相、3選後の難関は対米自動車問題だ

政策の重点は金融から財政へ

 9月20日、自民党総裁選で石破茂元幹事長を破って連続3選を決めた安倍晋三首相。通算の首相在任期間が歴代最長となる展開も視野に入るが、内外で直面する政策課題も多い。写真は自民党本部で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 20日 ロイター] - 20日投開票された自民党総裁選で石破茂元幹事長を破って連続3選を決めた安倍晋三首相。通算の首相在任期間が歴代最長となる展開も視野に入るが、内外で直面する政策課題も多い。

中でも日米間の通商問題は、今月中に開催予定の首脳会談で米側から早急な改善を求められる可能性がある。特にトランプ大統領の関心が高い自動車問題で、日本からの輸出規模について注文が付いた場合、対応に苦慮する展開も予想される。

また、最近の台風や集中豪雨による被害の増大は、地球規模の気候変動が影響している可能性があり、安倍首相は今後3年間を集中投資期間として、国土強じん化に注力する姿勢を鮮明化。他方、いつまでも大規模金融緩和を継続することは考えていないとも述べており、アベノミクスの中での最重要政策課題は、金融政策から財政政策に移行するとみられる。

統一地方選や参院選控え、与党内に「物価上昇困る」

安倍首相は2015年の総裁再任時と同様に、今回も経済政策の目標として600兆円の名目国内総生産(GDP)達成を掲げた。しかし、政権におけるマクロ政策の重点項目に変化がうかがわれる。それは、金融政策から財政政策へのシフトだ。

安倍首相は14日の討論会で「異次元緩和をずっと続けてよいとは思わない」と明言し、金融緩和から引き締め方向への出口転換について、3年間の「任期中にやり遂げたい」との意思を示した。

ただ、具体的な政策については、黒田東彦・日銀総裁に任せるスタンスも明確にした。 

実際、政府・与党関係者の間には、2019年に統一地方選、参院選があり、あまり物価が上がっては、選挙戦で不利になりかねないという思惑も渦巻いており、一段の金融緩和を望む声は極めて少数になっているという。

また、米国が利上げ局面となり、欧州中央銀行(ECB)が年内に資産買入を終了させる中、政府・日銀が最も警戒する円高リスクは大幅に低下。かえって円安が一段と進展すれば、対米貿易黒字が膨張し、トランプ大統領を刺激しかねないとの危惧も、一部の政府関係者から出ている。

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