「スペースX」、最初の搭乗者は前澤友作氏に 十分な金額を前払い、マスクCEOが表明
[ホーソーン(米カリフォルニア州) 18日 ロイター] - 民間宇宙開発会社スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は17日、日本のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ<3092.T>の前澤友作CEOが、同社ロケットの初の搭乗者として月周回旅行の契約を結んだと発表した。
月への飛行は2023年となる予定。実現すれば、1972年の米アポロ計画以来、初めての有人月旅行となり、民間宇宙開発は新たな段階に入る。
スペースXのロケット「ビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)」はまだ完成していないが、米電気自動車大手テスラ<TSLA.O>のCEOでもあるマスク氏は2022年に火星に向けた無人飛行を行い、2024年には有人飛行を実現するという構想を描いていた。
前澤氏がこの契約のために支払った金額は公表されていない。マスク氏は会見で「この飛行を実現できるかどうか100%確実ではない」とする一方、前澤氏がBFR開発に重要な影響を与え得る十分な金額を前払いしたことを明らかにした。
スペースXだけでなく、アマゾン<AMZN.O>CEOのジェフ・ベソス氏が立ち上げたロケット企業やブルー・オリジン、英事業家リチャード・ブランソン氏が設立したヴァージン・ギャラクティックも、民間宇宙船による宇宙旅行の実現に向けてしのぎを削っている。ヴァージンと契約した米映画俳優レオナルド・ディカプリオ氏など、まだ完成していないロケットの搭乗予約に有名人や資産家が名乗りを上げるケースが相次いでいる。
ヴァージンによる90分の飛行にかかるコストは25万ドル。ロイターは今年7月、ブルー・オリジンのロケット「ニュー・シェパード」に乗る短期の観光旅行には当初、少なくとも20万─30万ドルかかる可能性が高いと報じた。
スペースXは、低コストで再利用できる「ファルコン9」ロケットの成功で世界の宇宙産業に一石を投じ、米国防総省や航空宇宙局(NASA)との契約も含め、多くの取引を実現している。今年2月には世界で最も強力な大型ロケット「ファルコン・ヘビー」の打ち上げと着陸のテストに成功、世界の注目を集めた。
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