裾野を広げ、狙うは「シリコンバレー超え」 10年で1000社への出資を目指すモビーダの戦略
--他社と同じことをやらないとなると、モビーダならではの特徴とは?
孫 とにかく裾野の拡大をやっていることですね。日本の若い人達の裾野を広げる。つまり量をやっていく。量をがんばるといっているところは少ない。セレクティブにやるところが多い。効率も悪くて大変だからです。でも数が質に繋がると信じているので、数をどんどん作りたい。
伊藤 裾野を広げると同時にレベルアップを進めていきたいと思います。スタートアップと大企業を結びつけることはもちろんのこと、支援する人のレベルもあげていきたい。
ヤフーの社内プログラムと連携
孫 ほかに他社にない特徴としてはヤフージャパンとの連携があります。モビーダは、ヤフーの社内インキュベーション制度とリンクしている。ヤフーで今年8月に開催された社内開発イベントに参加した70チームから複数チームを選考し、そのうち4チームが今、モビーダに来て、新事業に取り組んでいます。継続か終了か、の関門があり、もし「終了」となったらヤフーに帰ってもらいます。うまくいけば、どんどん拡大していく。そういうプログラムをつくりました。
伊藤 日本の場合、優秀な人材はもちろん野にもいますが、大企業の中にたくさんいる。その人たちが大企業をやめなくてもチャレンジできるというのも、1つのあり方。一回、うちに里子に来てもらうという形です。リスクフリーで挑戦できるようにする。うまくいかなかったらもとの会社にそのまま戻れる、と。そういう仕組みの中で成功事例を作っていきたい。
泰蔵と僕は去年40歳になったところ。この同世代の人たちは、そもそも人数が多い。今は中間管理職として活躍しているが、年齢を重ねる中で必ずポジションがなくなっていく。そのため、そこから外に飛び出せるチャンスをつくっていきたい。飛び出しても、十分やっていける環境を作るのが大切だと思っている。
いきなりスタートアップを起業するのは難しいかもしれないが、アントレプレナーをサポートする人にはなれるかもしれない。そのためには、スタートアップにいってもしっかり給料払えるようにしなければダメだ。日本は会社によって給料が違いすぎる。グローバルにみると、職種によって給料が決まっているため、スタートアップであっても、その役割、役職に応じた支払いがきちんとある。
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