裾野を広げ、狙うは「シリコンバレー超え」 10年で1000社への出資を目指すモビーダの戦略
--デモデイは今回、第4回目。先ほどの挨拶の中で「質が上がっている」と言っていたが、それはなぜだと思いますか。
孫 起業家の絶対人数が増えてきていることが影響しているのかな、と思います。1歳、2歳上の人がやっているのをみていて、イベントにも参加するうちでブラシュアップされてくるのだと思う。1996年、私が起業をしたときにはVECさんが優れたベンチャー企業に対して表彰をやっていたくらいだった。今日のようなピッチコンテストなど1つもなかった。
人前でプレゼンをして鍛えられるという環境さえなかった。人前でのプレゼンは回数をこなすうちにうまくなっていく。それ以外にもユーチューブを見たりとか、ほかの人の事例をいろいろと見ていることも、レベルが上がってきた理由だと思う。
--しかし、プレゼンがうまければいいわけではないですよね。
孫 それはもちろんです。中身がスカスカであったらプレゼンが良くてもダメ。でも、自分の価値をきちんと説明できる能力は重要です。
無謀なことはやらない
--IVPが北京、デジタルガレージがサンフランシスコという具合に、日本のVCも海外でのスタートアップ育成を始めている。モビーダも海外に拠点を作る可能性は?
孫 可能性はなんでもありです。
伊藤 過去3回やってきて、その中からも多くの学びがあった。シェアオフィスを始めてそれが重要な役割を果たしています。いろいろなことをやっていきたいが、無謀にはやれない。2030年に向けてのPATHを考えると、海外進出よりも前にやるべきことは山ほどあります。
孫 確かに横並びで同じことをやるのは意味がない。IVPやデジタルガレージが海外に拠点を持つのであれば、私たちはそこと連携していけばいい。
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