遅延に混雑…首都圏「残念な直通ルート」10選 便利になるはずが、どうしてこうなった?

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4)都営浅草線―京成線―北総線 

都営浅草線は、泉岳寺駅で京急線、押上駅で京成線とつながって直通運転を実施している。押上駅から千葉方面へ向かうと、京成高砂駅からは北総鉄道に乗り入れ、千葉ニュータウンへと続いている。

日本橋駅から千葉ニュータウン中央駅まで距離は36kmで、ほぼ同じ距離の神保町駅―新宿駅―京王多摩センター駅(都営新宿線&京王電鉄)と比較してみよう。所要時間もほぼ同じなのに運賃がはなはだしく異なる。

京急の品川駅から地下に入る北総鉄道直通電車(左)(筆者撮影)

すなわち、神保町駅から京王多摩センター駅まではIC運賃なら535円(現金540円)なのに、日本橋駅から千葉ニュータウン中央駅までは、倍以上の1120円(現金1130円)もかかるのである。往復すれば、2000円以上となり、勤め先から通勤手当が全額支給されるならともかく自腹で往復するには相当な負担となる。3社にまたがるという事実以上に、北総鉄道の運賃が高すぎるのである。

5)京急線―都営浅草線

京急線はターミナルの品川駅から北へ1駅延伸して泉岳寺駅で都営浅草線に乗り入れている。昼間は快特の半数、羽田空港からのアクセス列車が都営線に直通して便利な状況にある。

しかし、頻繁に利用してみると、時間帯にもよるけれど、意外に品川駅止まりが多いことに気づく。泉岳寺駅の折り返し用の引き上げ線は、京急ではなくて都営地下鉄の管轄であるので、京急は品川駅折り返しを意外に多く設定しているようだ。あるいは品川駅始発を増やしたいのかもしれない。いずれにせよ、ちょっと不便さを感じることがある直通ルートである。

直通は朝夕ラッシュ時だけ

6)東京メトロ東西線―東葉高速線・JR総武線

東京メトロ東西線は中野駅でJR中央線、西船橋駅で東葉高速鉄道とJR総武線との直通運転を行っている。西船橋駅での直通ルートは東葉高速鉄道がメインであり、JR総武線津田沼駅への直通運転は、歴史はあるもののおまけみたいなものだ。

現在、東西線との直通は、朝夕のラッシュ時に限られる。津田沼駅や船橋駅から日本橋駅や大手町駅に直通で行けるメリットは計り知れないのに、諸般の事情があるとはいえ、ちょっと残念な気もする。

7)東京メトロ千代田線―JR常磐線

常磐線を複々線にするにあたり、当時の国鉄は緩行線を地下鉄千代田線と直通運転とすることとした。快速電車と緩行線との乗換駅である北千住駅を御茶ノ水駅のような同一ホームでの乗り換えとしないで、緩行線は千代田線直通のため地下ホームとなり、乗り換えは大変不便な状況となった。快速の止まらない駅から上野方面へ向かうのは、従来と比べて甚だしく面倒になったので、当時「迷惑乗り入れ」と糾弾され社会問題ともなった。

国鉄時代の複々線化は利用者の利便性を考えた方向別複々線としなかったことが、後年さまざまな不便さを生みだしている。いまだ改善されない「負の遺産」ともいえる。

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