塚原副会長、TV生出演に見たパワハラの温床

組織トップが使ってはいけない4つの言葉

さらに加藤さんが、「強化本部長が『この人でしょ』と言ったら周りが『違うのにな』と思ってても『そうですね』と言わなければいけない雰囲気が……」と話しているときに、「まったくないですね。喧々囂々です」と全面否定。独裁と言われることについても、「たぶんね、通常に強化で話し合っているコーチ以外の、そういう恩恵を受けていない人がたくさんいらっしゃるんです」ときっぱり否定しました。

この言葉にある確信を得た加藤さんが、「簡単な言葉にすると、『権力側にいない側のやっかみ』ということでいいですか?」とカマをかけると塚原副会長は、「もしかしたらそうかもしれませんね。わかりませんよ。『調査しろ』と言われればいくらでも調査しますけどね」と憶測のコメント。加藤さんにしてみれば「見事に引っかかった」という心境でしょう。憶測であるにもかかわらず、多くの人々を貶めてしまったのです。こうした発言は味方であるはずの人々さえ「もうこの人についていけない」と感じる可能性が高く、組織のトップや管理職としては極めて危険なものなのです。

その後、話は体操界の日体大派閥と塚原夫妻との「権力闘争」につながり、再び塚原副会長は憶測話を続けました。ただ、塚原副会長はCM明けに「訂正していいですか? “権力闘争”ではなく“派閥闘争”にしてください。すみません」と発言を修正。「いかに権力というフレーズに敏感になっているか」を感じさせますし、そもそも“権力”も“派閥”も、この日の出演には必要のないフレーズでした。それを言いたくなってしまう自分自身をコントロールできないからこそ、ここまで騒動が大きくなってしまったのかもしれません。

長く話しすぎて自画自賛ばかりに

その後、番組のコメンテーターから塚原副会長に鋭い質問が向けられました。

「宮川選手が『会見で発言しなければわかってもらえない』というところまで追い詰められたことをどう思うか?」と尋ねられた塚原副会長は、「要するにですね、速見コーチの暴力ということが発端なんですね。これがなければ宮川選手もそういうことを感じなかったと思いますし、(速見コーチを)厳しく処分したことが宮川選手にはショックとしてあったと思います」と「あくまで暴力ありきのパワハラ疑惑」というスタンスを徹底。

「塚原千恵子強化本部長の強いリーダーシップがパワハラにつながっているのでは?」という質問には、「われわれには権力はなくて、みなさんに意見を聞いていろいろなことを決めてやってきました。まあスポーツの世界はどこもそうだと思うんですけど、いろいろな方が集まってやりますから、組織には信念を持ったリーダーが必要です。そういうリーダーシップがないと務まらないんですよね」とコメント。ここでも正当性を主張し、選手側を慮る言葉はありませんでした。

さらに塚原副会長は、「けっきょくどの時代もそうですけど、上位のチームやコーチが集まっていちばん優秀なクラブの責任者が代表になってやっていく。アマチュア競技団体では仕方ないんです。プロは金で呼べますが」とコメント。続けて、「そういう意味で優秀な監督能力だとか、リーダーシップ能力がある塚原千恵子という人間は……」と妻を称えたところで話を止められてしまいました。言うまでもなく番組は、妻のノロケを競うトークバラエティではないので、これは当然でしょう。

次ページそれでも話は止まらなかった
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 地方創生のリアル
  • ミセス・パンプキンの人生相談室
  • 女性の美学
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
チャイナ・スタンダード<br>新・ハイテク覇権国 中国

5G、IoTなど次世代技術の主導権をめぐって激突する米中。その間にも中国テック企業のイノベーションは着々と進む。ファーウェイ、アリババ、鴻海……。世界のハイテク覇権を狙う中国企業たちの実力を総点検する。