「エクストレイル」が意外と売れ続ける理由 日産のSUV、発売5年目で見せる大健闘

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道具であるのだから、実用的で使いやすく、車体を傷つけないかなど扱いを気にせず利用できることを重視した。それが、防水シート/防水フロア/防水ラゲッジボードであり、また、車体外観を多少傷つけても復元性のあるスクラッチシールド塗装の採用である。

本格的な4輪駆動によって、遊びの現場まで入り込むことができ、途中に狭い道があっても立木の枝などで傷つくことを気にせず前進でき、なおかつ、遊んだ後の汚れを気にせず乗り込み、着替えたり、帰路についたりできる。まさに、クルマを道具として使いつくすことのできるのがエクストレイルである。

ことに初代は、ギア(道具)に徹したことを外観にも見せ、武骨な四角い造形であった。2世代目もそれを踏襲した姿であり、3世代目の現行車では一転して丸みを帯びた形となったが、これは、日産の都合で、欧州で販売されているキャシュカイ(国内名デュアリス)と共通化したためである。

それでも、エクストレイルは初代からのギア(道具)としての使い勝手は変えていない。

唯一無二といえる存在

一方、多くのSUVは、都会で日常的に使われることを優先する傾向に流れている。そうしたSUVは、見た目や印象で選ばれることが多いだろうが、エクストレイルはほかに選択肢のない特徴を備える。そこが、安定して販売台数を維持できている理由ではないか。

さらに、従来はエンジン車のみであったのが、ハイブリッド車(HV)も現行車では追加された。これにより、JC08モード燃費がリッターあたり20km台にのる。

三菱自動車「アウトランダー」や、SUBARU(スバル)「フォレスター」など、4輪駆動技術に優れるSUVは競合としてあるが、ギア(道具)に徹する点で、エクストレイルは唯一無二といえる存在だ。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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