年金がどう運用されているか知っていますか 巨大なクジラ「GPIF」の知られざる実像

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2001年からの運用益の合計、累積収益はおよそ63兆円。株価の下落などで累積収益は、右肩上がりには増えませんが、右肩上がりに増えているものもあります。それは、利子や株の配当などのインカムゲインです。リーマンショックで株が暴落しようが、金利が下がろうが、コツコツと毎年およそ2兆円ずつインカムゲインが積み上がっています。

法律で、GPIF自身が銘柄を決めて運用することはできないので、実際運用しているのは、運用受託機関といわれる、民間の運用会社で、ファンドは約100本あります(2017年度末)。インデックスに連動するファンドだけで運用されているイメージがありますが、すべてがパッシブ運用ではなく、アクティブ運用の割合は約2割です。

なぜESG投資なのか

私たちの大事な年金積立金を預かるGPIFは、機関投資家として責任ある投資をするという金融庁の「日本版スチュワードシップコード」を2014年に受け入れ、2015年には環境、社会、企業統治に配慮したESG投資をする、国連責任投資原則(PRI)に署名しました。

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の英語の頭文字をとったもの。企業として環境問題、多様性や従業員の労働環境などの社会問題、汚職事件などが起きないような取り組みが行われているかが問われます。

GPIFは、2017年10月から株だけでなく、債券を含むすべての投資先においてESGに配慮した投資を行うとしています。一歩踏み込んだところでは、ESG指数を3つ採用。指数に連動するファンドに投資をしています。そのうち2つはトータル的なESG、1つは女性活用に特化した「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」があるのも特徴的です。

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