年金がどう運用されているか知っていますか 巨大なクジラ「GPIF」の知られざる実像

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この大きなお金を運用しているのが、株式市場から「クジラ」と呼ばれているGPIF(ジーピーアイエフ)で、正式名称を「年金積立金管理運用独立行政法人」といいます。みなさんの年金の積立金を、管理して運用している独立行政法人と、まさに読んで字のごとしです。国の公的年金を運用する機関としては、世界最大級です。

私たちの積立金の成り立ち

GPIFができたのは、2006年。もともと、年金福祉事業団の時代から、年金積立金はありましたが、使い道はかつて大きく異なっていました。

以前は、保険料収入から年金としての支出を差し引いたものが年金積立金として大蔵省資金運用部に預けられました。貯まってきた積立金は、財政投融資の一環として社会資本整備に使われたほか、現役世代の福祉向上のため住宅融資の財源や、年金保養施設の「グリーンピア」を作る資金などになりました。

年金福祉事業団は1986年から2000年まで、積立金を運用するために、大蔵省の資金運用部から特殊法人への貸し付けとしてお金を借りて運用し、利息を払って返す、というやりとりをしていました。2000年の借入金は27兆円。その後、財政投融資改革によって2001年からは年金資金運用基金(GPIFの前身)が厚生労働大臣から寄託された積立金を直接運用できるようになり、2006年にGPIFへ改組し、現在のような形になりました。

今の運用と2000年以前の運用では大きな違いがあります。かつてはお金を借りて運用していたので、調達金利を上回る運用をしないとプラスになりませんでしたが、今は借り入れをしない運用なので、運用益がダイレクトに得られます。

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