関空第1ターミナル、深刻すぎる被害の実態 台風直撃で9月14日まで完全機能停止が続く

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今回の取材で感じたことは、第1ターミナルと第2ターミナルが、「違う空港か?」と思うくらい状況が異なっていたことだ。第2ターミナルについては、電気も完全復旧し空調も効いており、何一つ不自由なことはなかった。一時閉店していた飲食店も全て再オープンし、コンビニエンスストア(セブン-イレブン)も通常通りの営業で食べ物も十分に用意されていた。

お土産店も一部商品の入荷はないが、それもごく一部で多くの商品は通常通りに販売されていた。見た目においては通常時と変わらず、いつもLCC客で賑わっているターミナル内の人が少ないくらいの印象だ。ANAもJALも第1ターミナル再開まではピーチがメインで使用する第2ターミナルを使用する。

第2ターミナルの国際線エリアでANA上海行き、国内線エリアでJAL羽田行きの搭乗手続きが行われており、筆者は取材後にJALが唯一運航する羽田行きに乗るためにチェックインをしたが、機械でのチケット発行やチケットレスでの搭乗はできず、JAL側で予約記録を確認した後、手書きの航空券が発行された。

第1ターミナルは蒸し風呂のような暑さ

第2ターミナルの取材後、第1ターミナルへ向かった。第1ターミナルは空港関係者しか原則入ることができず、入館できる入口も限定されていた。入館した瞬間に蒸し風呂に入った気分とともに、強烈ではないがゴミの匂いのようなものも感じた。

4日の台風接近時、5日の滞留者の脱出までは人が多かったと聞いているが、想像を絶する暑さだったことはすぐにわかった。タンカー衝突の影響が空港再開を遅らせている要因という声もあるがそれは違う。滞留者の脱出においてはタンカー衝突で時間を要したことは紛れもない事実であるが、タンカーの衝突に関係なく、空港機能自体が完全に失われているのが現在の第1ターミナルの姿だ。

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