ローソン、「夜間の品ぞろえ」充実作戦の勝算 欠品解消に向け、商品の発注時間を大幅変更

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こうした状況を改善すべく、昨年末から発注時間変更に向けて動きだした。ローソンの物流を担う三菱食品の協力を得て、食品メーカーや配送会社など280もの取引先と、作業時間やトラックの配送時間の調整を進めてきた。ローソンがここまで大規模なサプライチェーン改革を実施するのは実に30年ぶりのことだ。

セブン‐イレブンでは以前から発注の締め切りを1日3回設定しており、ローソンが追随した格好となる。ただセブンの場合、特定の時間帯の発注を意図していないが、ローソンでは夕夜間に合わせた便で全体の半分程度の商品の発注を推奨している。改革以降、夕夜間のおにぎりや弁当などの店頭在庫数は平均で15%増加。翌日の朝食を購入する客も増え、夕夜間の客単価は1%上昇したという。

夜間シフトを見直す可能性も

ローソンの日販(1日当たり1店売上高)は、首位のセブンと10万円以上の差があり、その差は一向に縮まっていない。竹増貞信社長は「朝と昼の時間帯はトップチェーンに負けていない。差があるのは夕夜間だ」と繰り返し強調してきた。夕夜間を意識して総菜などのカウンター商品を強化してきたが、目立った成果は乏しかった。

今回の発注時間変更で少しずつ効果は出始めているが、課題も残る。夜間の発注作業が必要になったことで、「正確に発注ができる人材を配置しなくてはならない」(都内でローソンを15店舗運営する鈴木俊介氏)。店舗によっては夜間の従業員のシフト全体を見直す必要も出てくるだろう。

店頭在庫が増えれば廃棄リスクも高まる。加盟店に浸透するには、ハードルはまだありそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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