現状打破へ、JTBとLCCがランデブー パック旅行拡大で格安航空の”アキレス腱”を克服
リアル店舗での販売では圧倒的なガリバーであるJTBも、ネット予約では出遅れており、楽天トラベル、じゃらんの2強を追う立場。一方のジェットスターも「ほかのLCCが独立志向なのに対し、われわれは積極的な提携戦略で差別化を図りたい」(コスカーCCO)としており、互いの弱点を補いたい両社の思惑が一致した形だ。
成田を拠点に18機を保有するジェットスターは、来年には24機への増強を計画。JTBとの提携には国内便だけではなく、海外便でのダイナミックパッケージ化も含まれており、「時期を見て商品化を検討したい」(今井社長)としている。
需要掘り起こしは時間との闘い
日本の空の便に占めるLCCのシェアは約5%。諸外国が3割程度であることを考えると低い水準だが、逆に見れば、それだけ潜在的な市場が大きいことを示している。
i.JTBの今井社長は、LCCを使うことによって気軽に地方まで旅行しようというニーズが掘り起こせると見ている。JTBのネットにおける2013年度の販売計画800億円のうち、ダイナミックパッケージは約10%にとどまるが、2015年度には20%まで引き上げることを目標にしている。
問題は、LCC各社の経営体力がそれまで持つかどうか。2013年6月期には88億円の最終赤字を計上し過小資本となっていたジェットスターは、大株主のカンタス航空、JALから無議決権株で110億円の増資を受けると発表している。増資資金で設備増強を行うが、増便による顧客拡大と搭乗率の改善が進まないかぎり、低空飛行から抜け出す道は開けない。どれだけ早く需要を掘り起こせるか、時間との闘いになる。
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