現状打破へ、JTBとLCCがランデブー パック旅行拡大で格安航空の”アキレス腱”を克服

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

キャンセル無料のカラクリ

コスカーCCOは「LCC拡大の商機」と期待を寄せる(撮影:今井康一)

就航当初に相次いだ欠航のイメージが今も尾を引くLCC業界だが、ジェットスターの定時運航率は直近だと5カ月連続で9割以上をキープ。一部の定期検査漏れなどで国土交通省に厳重注意を受けて以降は、運営面の安定感も増してきた。

「国内観光支出が増加に転じ、今後もLCC市場の拡大チャンスが増える」と、ジェットスターグループのデヴィッド・コスカーCCO(最高営業責任者)は期待を寄せる。

格安なLCCは原則として、出発の何日前のキャンセルであっても一度予約してしまうと100%のキャンセル料が発生する。そのため、予定変更がしづらいという欠点があった。だが、ダイナミックパッケージは旅行業法に基づく募集型企画旅行で、出発の21日前まではキャンセル料が無料となる。

キャンセル発生リスクはチケット料金に含まれる形で旅行者が負担するが、「ダイナミックパッケージは宿泊代とセットでの価格提示になる」(片岡優・ジェットスターグループ日本支社長)ため、客からすると割高感にはつながらないはず、と両社は目論む。何より、ワンストップで宿と切符の予約が一度にできる便利さをテコに、「(LCCの利用がまだ多くない)ビジネス利用の拡大にも期待している」(片岡支社長)。

便数拡大で利用増につなげられるか

JTBは、ジェットスター以外のLCCについても同様の条件で連携できるなら、「ダイナミックパッケージに積極的に取り込んでいきたい」(今井社長)としている。

次ページ両社の思惑が一致
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事