マハティールが海上都市を狙い撃ちするワケ 中国主導の「フォレストシティー」にブレーキ
「もし需要があれば建設する。もし需要がなければ、遅らせる」と、第1の人工島に完成したばかりの建物の1つであるピカピカのフェニックス・ホテルで、Ng氏はインタビューに答えて言った。
「したがって、ゴーストタウン化や過剰供給の心配はない。もし需要がなければ、建設しない」
2016年末に中国人民元が急落し、中国政府が資金の国外流出抑制に動いたことも、中国本土からの不動産購入需要に影響したという。
中国の悪評
Ng氏は、プロジェクトが直面する最大のハードルは、同氏が「中国の悪評」と呼ぶものだと話す。
「マレーシア政府が避けたいのは、中国企業がマレーシアにやってきて、政府事業を受注し、地元デベロッパーの開発機会を圧迫して、もうけて自国に帰ることだ」と、Ng氏は言う。
こうしたことを踏まえて、CGPVではフォレストシティー開発における採用戦略を変更し、Ng氏のようなマレーシア人を幹部に登用するようにした。
「私の前任者は中国人だった。過去には、役員の中には法務担当者1人しかマレーシア人がいないこともあった。私の職は通常は中国人が就くものだが、私が起用された」と、Ng氏は話す。同氏は、中華民族だがマレーシア生まれだという。
マハティール氏の発言を受けて、Ng氏は、開発プロジェクトの地元色を強調した。
「プロジェクトには多数のマレーシア人がかかわっている。働いている1545人中、1100人がマレーシア人だ」