日光で消えたフランス人女性を知りませんか 失踪から約1カ月、ベロンさんの素顔と足取り
ティフェヌ・ベロンさんと会ったことのある日本人はほとんどいないだろう。
フランスのポワチエ在住のベロンさんは36歳のフランスの小学校教員補助で、障害のある子どもの世話をしている。特に1人の自閉症の少年のことを気にかけていて、彼女の助けを借りて少年の症状は劇的に改善した。ベロンさんはまた、著名なオーストリア画家と同じ名前の「ココシュカ」というネコを飼っている。
【9月4日18時10分追記】初出時の「オーストラリア画家」を上記に訂正しました。
着いた翌日の朝にこつぜんと消えた
彼女にはもう1つ情熱を傾けているものがある。日本だ。多くのフランス人同様、彼女は日本という国に恋をしている。彼女は町の静けさや、人々の間にある尊敬の念、そして洗練された文化に。2013年に初めて来日した際は東京しか訪れなかったが、そこで彼女の人生は変わった。
そして、2018年7月27日。ベロンさんは2度目の日本への旅に出た。8月18日まで約3週間訪れるため、旅支度は慎重にした。今度は日本の田舎を知りたいと思っていた。彼女は大きな紙に、滞在中に行きたいと思っている場所をリストアップした。礼儀正しい日本人のように、滞在予定の各ホテルへのお土産も用意していた。
最初の目的地は日光東照宮だった。日本に到着した7月27日に両親にメッセージを送った。この国ではいつでもそうであるように、すべては完璧だ、と。
翌日、ベロンさんは姿を消した。その日の朝以来、彼女がどこにいるのかまったく手掛かりがなく、家族やジャーナリスト、外交官、そして日本の警察などの捜査隊は絶望に陥っている。フランスでは、エマニュエル・マクロン大統領官邸が捜索を行っている。「彼女がどこにいるのかまったくわからない。何の手掛かりもない」と、あるフランスの外交官は嘆く。
ベロンさんは失踪前夜、同じホテルに宿泊したフランス人観光客と会った。翌日の朝食で、彼女は2組の別のフランス人とドイツ人のカップルに会って、訪問予定の場所について話した。彼女の予定に特別なものは何もなかった――中禅寺湖、東照宮など日光で旅行者がみな訪れるルートをまわる計画だった。
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