京急が「北斗の拳」コラボで突くファンの秘孔 「ザコ」列車や「かぁまたたたたーっ」で新伝説
ただ、今回の北斗の拳とのコラボ企画は、ファン層が一定年齢以上の男性が中心で「万人受け」とは言えそうにないだけに、社内でも心配の声があったようだ。貸し切り列車に乗り込んだ同社幹部はキャンペーンについて「ほんわかしたリラックマとはまったく違うので利用者の反応を心配したが、駅名看板などが思った以上に好意的に受け止められた」と胸をなで下ろしていた。
「北斗の拳の知識なかった」担当者
暴力が支配する世紀末の殺伐とした乱世、という北斗の拳の舞台設定とは対照的に、京急グループ内での準備は入念かつ、和気あいあいと進められたようだ。
今回のキャンペーンを担当した京急電鉄・営業企画課の伊藤麻衣さんは「もともと漫画を読んだことも、アニメを見たこともほぼなかった」と明かす。駅名看板をはじめ、キャンペーンの内容を話し合う初めの段階で「かぁまたたたたーっ、とつぶやいてみた」ことがきっかけで担当に決まったそうだ。そこから北斗の拳について勉強を始めた。
「周りからアイデアをもらいながらも、知識がなさ過ぎるのでコミック全18巻を買いました。経費ですけど」
「京急かぁまたたたたーっ駅」の看板を表に掲げることになる京急蒲田駅の駅長に説明した際のことは「怒られたらどうしようと思っていたけれど、駅長が北斗の拳のドンピシャ世代で『これは面白い』と歓迎してくれた」と振り返る。これまで以上に奇抜な駅名看板は社内でも「面白ければいいんじゃないの」とおおむね好意的に受け止められたという。
関係者の中には北斗の拳の熱烈なファンもいて、名ぜりふをもじり「周年!!おれを変えたのは周年だ!!」「おまえはもう京急に乗っている!」といった、キャンペーン告知用のポスターやリーフレットに記載するコピーも生まれた。すでにコラボ企画の内容が固まった後でも「なぜこうしないんだ」とアイデアを提案してくるファンの社員もいた。
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