若手が続々と移籍するベルギーリーグの現在 「日本サッカー」強化のカギは融合にあるか

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ゲンク戦で相手選手と競り合う冨安健洋選手。19歳の五輪世代だがA代表での招集も期待されている(写真:アフロ)

また、今年のロシアW杯で3位と躍進したベルギー代表の強さの秘訣をこう語った。

「人種の融合ということがいちばん大きいと思います。ルカクもいるしデブライネもいるっていうのがいちばん面白いとこだと思います。

(優勝した)フランスがなんで強いのかって考えた時に、ポグバだったり、カンテだったり、以前ですとマケレレだったり、アフリカ系フランス人の強い選手がいます。こういった選手がいるなかで、ドイツ系のグリーズマンだったり、コシールニー(ポーランド系)、そしてゴールキーパーのロリス(南フランス出身)とか。人種の融合というのが強さの秘訣かもしれません。

アフリカはやはり良い選手が多いし、個の能力はもの凄く高いけど、チームとしてはなかなか勝ち進めないですよね。アフリカ系の選手の個の力とヨーロッパの戦術の融合は強いですよね。

そういう意味ではスペインは似たような選手ばっかりなのにすごいなって思っています。南米とかは強い部分と上手い部分とどっちも入っていて、ヨーロッパだとそこに規律だったり、しっかりチームとしての戦い方もできる。

日本も同じような選手が多いとよく言われますが、日本のチームにとんでもないアフリカ系選手が3人入ったら面白いところまで行くのかなとか考えています。トレンドになっているフランス、ベルギーなどは、アフリカ系選手とヨーロッパ系選手の融合がうまく進んで、一段階上にあるのかなって分析しています」(古賀)

ベルギーリーグが日本の若い才能が花開く場になるのか

今後、さらに多くの⽇本⼈選⼿がシント=トロイデンVVをはじめとするベルギーリーグでプレーすることになるだろう。

「有望な若い才能を早い段階で世界に連れて行き、挑戦の場をつくることを信念にしている」

シント=トロイデンVVの村中悠介会⻑の⾔葉のとおり、日本の若い才能がベルギーの融合された文化やサッカーの中でもまれ成長し、日本代表にその新しい力をどのように還元してくれるのか楽しみだ。

(文中一部敬称略)

菊池 康平 スポーツライター

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きくち こうへい / Kohei Kikuchi

プロサッカー選手を目指して学生時代と会社員時代の夏期休暇などを利用し12カ国に挑戦。会社を1年休んで挑んだ13カ国目のボリビアでプロ契約を果たす。飛び込みで現地のチームと交渉し、テストを受ける道場破りスタイルを得意とする。現在は16カ国でサッカーに挑戦した経験を夢先生などの活動を通して子どもたちに伝えている。アスリートへの就労支援、KING GEARなどでライター活動、専門学校の講師などにも従事。

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