「日本の未来はダム次第」が誇張ではないワケ エネルギー自給率「韓国の半分以下」は大問題

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このように、今の福島県は日本で最も再エネ開発に積極的だと言えますが、だからこそ、水力発電増強が再エネ開発全体にとって重要な意味を持っていることに気づくことができたのです。

韓国より低いエネルギー自給率8%

一般に、再生可能エネルギーというと地球温暖化対策などエコロジーと結びつけて考えられがちですが、福島水力発電促進会議では再エネが純国産エネルギーだという点に注目しています。

基本的に、エネルギー問題は食料の問題と同様に、日本の生命線です。エネルギーや食料が足りなくなると、日本人の命にかかわるからです。

ところが、日本は世界有数のエネルギー消費国でありながら、エネルギー自給率はわずか8.3%(2016年)にすぎません。OECD35か国中34位(35位はルクセンブルグ)で、お隣の韓国の18.9%(2015年)よりも低い自給率です(資源エネルギー庁「日本のエネルギー2017」)。

日本は、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている状況なのです。

エネルギー自給率が1割にも満たないような国が存続していくには、歴史的に見ても大変厳しいと思います。子どもたちの未来のためにも、なんとしても自前のエネルギーを増やしたいところです。

そのときに重要なのが再生可能エネルギーです。再エネは、太陽光発電にしろ風力発電にしろ、日本の国土で電力を発生させますから国産ということになります。つまり、再エネを増やせば、国産エネルギーを増やすことになるわけです。

しかし、太陽光発電や風力発電の場合、ほかの国と比べて日本が恵まれた条件にあるとは言えないようです。

たとえば、太陽光発電の場合、どれだけの日光が太陽光パネルに当たるかで発電効率が変わり、効率がいいほど電力当たりの原価が安くなります。世界的に太陽光発電が盛んになったこともあり、太陽光発電施設の値段は下がっていて、太陽光発電の原価は下がりつつあります。

日本の場合、太陽光発電の1㎾h当たりの原価は20円を超えていて、まだ火力発電や原子力発電に比べれば割高です。その理由は、多雨である日本の気候では雨や曇りの日が多く晴れの日が少ないため、日射量が少ないからです。

ところが、ほとんど雨の降らない乾燥した気候の国では日射量が比較にならないほど多いため、太陽光発電の原価は1㎾h当たりわずか1円と、日本とはケタ違いに安くなるケースもあるのです。 

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