加飾や装備は簡素化されるが、ジムニーのタフな走りを支えるヒルディセントコントロールやヒルホールドコントロール、ブレーキLSDトラクションコントロールなどは標準装備され、SRSカーテンシールドエアバッグやフロントシートSRSサイドエアバッグも標準装備となる。また、プラス4万2120円で先進安全装備のスズキセーフティサポートも選択できるため、車両価格を安く見せるための釣りグレードというわけではない(ただし選択できるボディカラーに制限がある)。
上級グレードとベースグレード、どっちが買い?
グレード間の装備差についてはジムニー、ジムニーシエラ共に共通となるので、ここからはジムニーXCとジムニーシエラJCを「上級グレード」、ジムニーXLとジムニーシエラJLを「ベースグレード」と表現して、解説を進めたい。
まず、上級グレードとベースグレードの価格差は16万2000円となる。ただし、上級グレードはプラス4万2120円で装着できる先進安全装備のスズキセーフティサポートが標準装備となっているため、実質的な価格差は11万9880円となっている。この価格差で装着されるものは、LEDヘッドランプおよびヘッドランプウォッシャー、クルーズコントロールシステム、本革巻ステアリング、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、アルミホイールに、内装パーツに加飾が追加されるといった具合となる。また、2トーンカラー(ジムニーはブラックトップ2トーンも含む)に関しては上級グレードにしか設定がされないため注意されたい。
グレード間の価格差を考えれば妥当な装備の違いとも言えるだろうが、タフな走りが魅力のジムニーであることを考えると約12万円の価格差を払って上級グレードをチョイスしたほうがいいと一概に言いにくいところ。アグレッシブな走りを本格的に楽しむのであれば、ヘッドランプウォッシャー付LEDヘッドランプは気になるところだが、雪の付着に関して言えばベースグレードのハロゲンヘッドランプであれば、熱で溶けてしまうから問題ないだろう。
また、長距離移動時にうれしいクルーズコントロールだが、ジムニー/ジムニーシエラのそれは追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールではなく、前走車がいてもおかまいなしに設定した速度で走るだけの昔ながらのもの。すでにアダプティブクルーズコントロール付のスズキ車もリリースされている現状を鑑みると、ちょっと物足りなさを感じてしまうところだ。
そのため、グレード的にはベースグレードを選択して必要に応じて先進安全装備を選択し、差額でオプションパーツなどを選択して個性を演出するのが楽しいかもしれない。また、過去のジムニーシリーズの傾向からいって定期的に特別仕様車が設定される可能性も高く、未確認情報ではあるが、生産ラインの増強も検討しているという話も聞かれている。
そのため、あえてそうした動きがあるまでは購入を控えて様子を見るというのも選択肢のひとつにしてもいいかもしれない。比較的手ごろな価格帯のクルマとはいえ、決して安い買い物ではないので、吟味せずに慌てて購入に走るのが最もオススメできない方法と言えるだろう。
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