「お墓参り」知らないと恥ずかしい基本の基本 トゲや花粉のある花を供えるのは要注意
東京以外では、沖縄などで現在も旧暦どおりの暦でお盆行事が行われています。そうした旧暦採用地域の場合、お盆の時期は新暦の固定スケジュールではなく、毎年少しずつ日程が異なります。
お墓参りする上で「知っておきたい2つのこと」
お盆が近づくと、葬儀業界で働く筆者は「お墓参りの正しいマナー」についてよく尋ねられます。ですが、お墓参りに「こうしなければならない」という厳密なルールは、ほとんどありません。
もちろん墓地・霊園の管理規約等にそって禁止されていることは避けたほうがいいでしょう。寺院墓地の場合は、境内に入ったらご本尊に一礼するとか、宗教・宗派にそった作法で行うなどの決まりごとはあります。
ですが、「掃除の手順」や墓参りの「日程や時間帯」などを気にしすぎる必要はありません。
ただし、「墓石に水をかけるか、かけないか」は是非がわかれます。墓石に水をかける派は、「仏様に水を手向ける」「墓石を清める」という意味からOKとし、水をかけない派は「冷や水を浴びせる」ことにつながるのではという考えからNGとしています。
水をかけることの是非はさておき、墓石をクリーンにするという意味では、まずは水で汚れを洗い流し、水をたっぷりと含ませた柔らかい素材のスポンジなどで丁寧に汚れを取り除いていくのがお手入れ方法の基本です。
墓前にお供えする花は、長持ちする花が好まれます。菊が定番になっているのは、リーズナブルで手に入れやすいというほかに、長持ちするという理由からでしょう。
仏教では如来の精神や知恵を表す青(緑)、黄、赤、白、黒(紫)の五色が揃うと教義にそった色合いになりますが、基本的には日持ちのする花であれば、和花・洋花問わず好みの花を選んでかまいません。
一方で、毒性のある花や香りの強い花は「相手を攻撃するという意味」から避けたほうがいいという説もあります。しかし、異臭や毒性の強いヒガンバナは遺体を動物から守るという意味で、墓地周囲に植えられていた形跡があちらこちらにありますし、水仙やカラーなど毒性のある花は市販の切り花でいくらでも存在します。また、香りにいたってはまったく根拠がなく、香りが強い花がダメなら、ユリ、フリージア、ヒヤシンスなどのほか、仏花といわれる菊さえもNGになります。
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