スズキで6400台発覚、「不正検査」続発の衝撃 マツダ、ヤマ発でも検査データ不正が相次ぐ
「大変申し訳ありませんでした」――。
新車の燃費・排ガス検査に関して、SUBARU(スバル)と日産自動車に続き、スズキ、マツダ、ヤマハ発動機の3社でも検査データ不正が相次ぎ発覚した。8月9日午後に3社の幹部が都内でそれぞれ登壇して頭を下げた。いずれも出荷前の新車の排ガスや燃費などを調べる抜き取り検査で、無効なデータにもかかわらず有効と判断していた。
スズキの不正事案は約5割
燃費・排ガス検査の不正は、日産とスバルが昨年秋以降に無資格者が出荷前の車両を検査していた完成検査不正の延長で露呈。日産とスバルは3月以降に燃費・排ガスの試験データを書き換える不正があったと発表していた。
これを踏まえ、7月に国土交通省はほかの自動車メーカーにも同じような事案がないかどうか調査をし、結果を報告するよう要請していた。8月8日の期限までに23社中20社が報告。トヨタ自動車やホンダ、三菱自動車、ダイハツ工業などは不正検査がなかった。また、アウディジャパン、フォルクスワーゲングループジャパン、ボルボ・カー・ジャパンの輸入事業者3社は海外生産メーカーとの関係から報告が遅延しており、提出され次第、国交省が公表するという。
データ不正があったのは、いずれも運転が定められた範囲に合わせられず失敗した測定(トレースエラー)を有効とした事案だ。計測器の上で車を走らせて燃費・排ガス試験を行う際に規定された速度から外れている時間が許容範囲を超えていた、というものだ。3社とも今回の不適切検査によって排出ガスや燃費への影響はないとして、リコールはしない方針だ。
各社が国交省に提出した報告書によると、スズキは2012年6月以降に検査を実施した車両のうち、不正事案の割合は49.9%、マツダは2014年11月以降の3.8%、ヤマハ発動機は2016年1月以降の2.1%だった。