日産「リーフ」刷新でも大衆EVへの遠い道のり 新型投入から8カ月、売れ行きはいま一つだ
「われわれは長年の実績を持つ電気自動車(EV)のパイオニアだ」
日産自動車のEV「リーフ」が、国内累計販売10万台を突破した。5月下旬に開かれた記念イベントで日産のEV事業を統括するダニエレ・スキラッチ副社長は他社が当初懐疑的だったEVに早くから注力してきた自負を隠さなかった。
初代は国内で8万1000台を販売し、「EVの日産」のイメージ確立に一定の寄与をしたとは言える。しかし、累計販売10万台の大台到達には7年半を要しており、当初の思惑どおりにはいっていない。
ここ数年、環境規制の強化を受け、世界的なEVシフトの波が到来。日産も満を持して、昨年10月にリーフの新型車を投入した。EV市場拡大と大衆化という役割を託された新型だが、販売は依然として伸び悩んでいるとの見方が支配的だ。
新型の台数目標は明言せず
日産は新型発表時、月間販売目標台数を「旧型の2~3倍」として、明確な数字を公表していない。昨年10月は前年同月比で700%を超える3629台を販売したが、国内工場における無資格検査問題の影響で11月に急落した。
今年1~2月に昨年10月の台数まで戻し、足元は前年200%超で推移。日産は「顧客からは好評で、今後も販売を大きく伸ばしていきたい」(広報)とする。ただ、都内のある日産ディーラーは「大きな声では言えないが、当初計画比でこれまで半分程度しか売れていない」と明かす。そもそも登録車販売上位のトヨタ自動車「プリウス」や「アクア」の月1万台超と比較すると、ボリュームの小ささが際立つ。
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