自治体が行う「外国人マーケティング」の盲点 爆買いするイタリア人、座禅をする中国人
そのアプローチは成果をあげており、海外の旅行会社が北海道のバードウオッチツアーを販売したり、海外のバードウォッチ専門メディアに道東が取り上げられたりしており、実際に訪日外国人客数も伸びてきています。
「好きなものがあるから行く、そこが福島」
最後にもう1つ、私も少しお手伝いしている福島のインバウンドをご紹介したいと思います。震災以降、福島を訪れる外国人旅行者は激減しました。地震や原発事故の問題についてネガティブな思いを持っている人はどの国にもいます。ですから、市場別にターゲットを設定しようと思ってもなかなか難しい状況にありました。
そこで福島では、「どこの国」であるかということの前に、自分たちの観光資源を好きだといってくれるのは「どんな旅人か」をイメージしていきました。たとえば「パウダースノー好き」。ニセコや白馬のスキー場が混んできたので、まだ外国人が少なくて上質の雪があるスキー場を探している人がいるのではないかと考えたのです。福島には裏磐梯に星野リゾートが運営する2つのスキー場(アルツ磐梯と猫魔スキー場)やグランデコスノーリゾートなど、東京からアクセスしやすいスノーエリアがあります。
あるいは「サムライ好き」。サムライや日本刀に関心がある人たちにとっては、150年前の戊辰戦争後も、サムライの気風を守ってきた会津の町や人々との触れ合いはとても興味深い旅先になる可能性があります。
<会津の動画>
サイトでは、もちろん地震や原発の情報へもアクセスできるようになっています。
「パウダースノー好き」や「サムライ好き」はそこが福島かどうかよりも、雪質がいいか、サムライ文化が体験できるかが大切なので、まずは自分の興味に合致するか、そのうえでさまざまな情報を確認して、行くかどうかを自分で判断してもらうという考え方です。このような取り組みを3年ほど続けることで、実際に福島に来てくれる外国人旅行者は増加し、震災前のレベルまで回復してきています。
インバウンドにおいて、「どの国」の人に来てほしいかを考えると同時に「どんな旅人」に来てほしいかを考えてみること。それは、より丁寧な外国人マーケティングにつながっていくはずです。
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