「社内恋愛」を徹底排除するアメリカ人の事情 上司は部下を「えこひいき」してはならない

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こういったトレーニングを定期的に課すことで、全従業員にガイドラインを確実に周知させることができる。また、仮にガイドラインに違反するようなことを行った場合に解雇もあり得るということをきちんと知らしめることも可能になる。

アメリカ企業は、“ダイバーシティ(多様性)”という考え方が、当たり前のように浸透している。これは1980年代~1990年代頃から、広く語られるようになってきたものだ。当初は、アメリカ内の労働人口における移民の増加や、ビジネスのグローバル化といった背景の中、そこで働く人間が、誰も差別されることなく、すべてにおいて平等な機会を得られる企業だというイメージを広める意味合いが大きかった。いわばイメージ戦略に近いものとして位置付けられていたといってもいいだろう。

しかし現在、ダイバーシティは、人種や民族、あるいは性別や年齢といった、いわゆる属性的な違いに加え、思想や考え方、価値観までをも包含するようになっている。これに伴い、企業の中での意味合いも、また変わってきている。現在ダイバーシティは、異なる価値観の共存から生まれるイノベーションを育むものとしても考えられており、これからの時代に企業が成長し、生き抜くために必要な競争力をもたらすものだと位置付けられているのだ。

会社内での「えこひいき」が許されないアメリカ

そのためアメリカでは、こういったダイバーシティが、現在の企業にとってなくてはならないものとだと強く考えられている。また、それを否定すると見られるような行為は、企業の評判を大きく損なうものとして認識されてしまうことも、決して少なくない。

日本では社内恋愛は、たとえば不倫との関連やセクシャル・ハラスメントの観点で語られることが多いが、アメリカでは、(もちろん、そういった見方も少なからず存在するのだが)むしろ企業のダイバーシティや公平性が、どう担保されるか、という観点で見られることのほうが多い。

そこで「えこひいきをしているのではないか」と疑われてしまうことで「多様性を持たない企業」だと思われることが、企業にとって大きなリスクとなってしまう。

同じ社内恋愛でも個人の問題ではなく企業の問題として考えられているところが、大きく異なるのだ。

熊村 剛輔 セールスフォース・ジャパン DX ビジネスコンサルティング ディレクター

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くまむら ごうすけ / Gosuke Kumamura

1974年生まれ。プロミュージシャンからエンジニア、プロダクトマネージャー、オンライン媒体編集長などを経て、大手ソフトウエア企業のウェブサイト統括とソーシャルメディアマーケティング戦略をリード。その後広報代理店のリードデジタルストラテジストおよびアパレルブランドにおいて日本・韓国のデジタルマーケティングを統括後、クラウドサービスベンダーにてエバンジェリストとなり現在に至る。

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