雌と雄のある世界 三井恵津子著
三十数億年前、地球に存在していたのは雌も雄も区別のない単細胞生物だった。1個の細胞が細胞分裂によって2個の娘細胞を作り出し生き続けていたが、いつからか雌の個体と雄の個体ができ、複雑巧妙な仕組みを通して自分自身と同じような個体を作る生物が増えるようになった。
雌と雄があることで生物には想像以上に多様性が生じる仕組みが備わっているという。遺伝子が混ざり合うため、多胎児の場合以外は親・兄弟姉妹とも違う唯一無二の個体が誕生するからだ。
著者は化学雑誌の編集長も務めたサイエンスライター。生物界の進化を「雌と雄」「細胞」から考察し、iPS細胞やクローン技術など、最先端のトピックもわかりやすく解説している。
集英社新書 735円
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