若者は「今上陛下の平和への思い」を忖度せよ ご高齢をおして「慰霊の旅」を続けた理由
平和を求め続けた今上陛下の思い
来年4月末に今上陛下は生前退位される。
今年の8月15日が、天皇として臨まれる最後の終戦記念日、全国戦没者追悼式となる。陛下の平和への思いの強さは、国民のだれもが知るところだ。陛下ご自身も、折に触れてその点について言及されている。
80歳を迎えられた誕生日の会見では、「やはり最も印象に残っているのは先の戦争のことです。私が学齢に達した時には中国との戦争が始まっており、その翌年の12月8日から、中国のほかに新たに米国、英国、オランダとの戦争が始まりました。終戦を迎えたのは小学校の最後の年でした」と振り返っておられる。
物心がつきはじめた3歳のときに盧溝橋事件(1937年7月7日に北京近郊の盧溝橋で起きた日本軍と中国軍との衝突事件。中国では「七七事変」と呼ばれている)が起こり、日本は中国と戦争状態に。この戦争は1945年8月15日まで続いた。陛下のご幼少時代は戦争とともにあったということになる。
今上陛下の平和を願う原点がここにあることは疑いない。
「日本は戦争を起こしてはいけない。戦争に近づいてもいけない」と、私はこのオンライン記事でも何度となく繰り返し述べているが、その思いの原点は同じように思う。私が就学年齢となったときには、すでに日本は連合軍と開戦して3年が過ぎており、日本全土が空襲の脅威にさらされていた。私自身も空襲体験者である。
いま日本は再び戦争のできる国になろうとし、戦争に近づこうとする動きがある。私は、この動きを大変危惧している。ここで今上陛下の歩んでこられた平和への道のりを振り返り、そのお気持ちを共有したいと思う。
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