ウォルマートが挑む「ラストワンマイル」の壁 打倒アマゾンに向けて秘策を推進中だが…

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 7月30日、ウォルマートの経営幹部は昨年、1万4000人に上る株主の面前で、アマゾン・ドット・コムなどインターネット小売サービスに顧客を奪われないための思い切った計画を披露した。写真は「アソシエイト宅配2.0」と呼ばれるジョージア州ウッドストックでの社内プロジェクトに配送ドライバーとして雇用されたモーリス・トーマスさん。6月撮影(2018年 ロイター/Nandita Bose)

[イーストブランズウィック(ニュージャージー州)ロイター] - ウォルマート<WMT.N>の経営幹部は昨年、1万4000人に上る株主の面前で、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>などインターネット小売サービスに顧客を奪われないための思い切った計画を披露した。

それは直営店舗スタッフが、店頭での最長9時間に及ぶ通常のシフト勤務を終えた後、インターネットで注文された商品を直接、購入客の家まで配達するというものだ。

膨大な数の従業員を活用

自身の店舗が抱える膨大な従業員を活用することで、配達コストを下げようとするこの計画は、米国で115億ドル(約1.3兆円)規模にある同社ネット小売事業を拡大させるための多角的な戦略の一環だ。

それはまたネット小売における大きな課題、配送拠点から玄関先までの「ラストワンマイル(最後の1マイル)」配送に対応するためのものだった。

ウォルマートの従業員にとっては、最低11ドルと定められている時給に加え、追加的な収入を得ることができる。

「世界中のアソシエイトが、注文を受けた商品を帰宅途中で顧客に配達する、と思っていただければいい」と同社ネット小売事業を統括するマーク・ロア氏は、昨年6月の株主総会で胸を張った。「これはまさしく勝負をひっくり返す可能性がある」

だがこの試みはあえなく頓挫した。

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