私にあるのは、炎上能力だけです（笑） 「キレナビ」編集長 はあちゅうに聞く（下）

自分が今いちばん行きたいと思うところに行くのがベスト

仲：はあちゅうは、学生から就職の相談を受けることも多いんじゃない？

はあちゅう：ありますけど、あまり受けたくないですね（笑）。「礼儀をちゃんとしてほしい」とか、おばさんみたいなことを思ってしまうので……。頼まれてエントリーシートの添削をしても返事ひとつないとか、メールを友達みたいに送ってくる知らない学生も多いです。「添付忘れたので、送り直しますね〜（顔文字）」みたいな。電通では周りに礼儀がきちんとしていた人が多かったから、気になってしまうのだと思います。

仲：営業じゃなくても、そういうことに気を使うんだね。今、何をしていいのかがわからない学生も多いと思うけど、アドバイスはありますか？

はあちゅう：今回の対談テーマのような「大企業かスタートアップか」というような視点で言えば、やりたいことがあって時間を無駄にしたくなければ、ベンチャーのほうが体力はつくと思います。逆に自分が何をしたいのか迷っているなら、大企業にいったほうがいいと思います。私自身は大企業に最初に行ったことによって、大企業の仕組みや、働いている人の考えに触れられたのは、すごくいい勉強になりました。

実際、電通は本当に魅力的な人がたくさんいたし、仕事もすごく面白いと思うので。ただ、私自身、長く勤めるつもりで電通に入って、たまたま経沢さんとの出会いがあったから早く辞めてしまいました。そういう意味では、自分が今いちばん行きたいと思うところに行くのがベストだと思いますよ。それで、きっかけがあれば転職するのもいいし、辞めればいいわけだから。でも、最初から「まずは大企業で数年やって、そのあとベンチャーに行って、それから起業しようと思っているんですよ～」なんてせこいこと言っている人は、嫌な感じを受けますね。会社に対しての忠誠心がないっていうか。

仲：ハハハ。逆に30代から40代くらいの人たちにとって、私たちみたいな世代で好奇心旺盛な人を、どうマネジメントしていこうかと思っている人もいると思います。はあちゅうからみて、尊敬できる年上の人ってどんな人？

はあちゅう：考え方が柔軟な人。つねに変化に対応できる人って、こちらも尊敬しますし、もっといろいろ話したいって思います。たとえば、Twitterひとつにしても、教えてもらおうと若い人にぐいぐい来る人には、こちらもすごく教えたくなるし、「この人に私たちのこともわかってもらいたい」と思って、ぐいぐい行くので、いい関係が築けるんです。逆に、「Twitterなんて時間のある暇人がやるものだ」って壁を作ってしまう人には、こちら側もどうしても壁を作っちゃいますよね。